有楽町ガード下「食安商店」が閉店 自販機で酒を買う「サラリーマンの聖地」
「本当はもうちょっとやっていたかった」
食安商店は24時間営業で、現在は酒類の自販機が3台、ソフトドリンクは4台設置されている。新型コロナウイルスの影響で今はやっていないが、水・木・金曜の16~19時はおつまみも販売していた。
男性によれば、店は男性の祖父から3代にわたって引き継がれてきた。経営年数については、店の口座が1952年に開設されていることから68年くらい経っているのではないかとのことだ。
閉店理由を聞くと、男性は「立ち退きです」ときっぱり。店の建っている土地がJRから借りているものだという。
「本当はもうちょっとやっていたかったですね」
こう本音を漏らすのは男性の母親。閉店は19年から弁護士と相談し決定した。
男性は酒類を自販機で販売している理由も教えてくれた。もともとは普通の立ち飲み屋だったが、先代である男性の父が、当時やっていた別の事業が経営難になったことから会社の従業員を解雇。人を使わないでできる方法はないかということで、21年前に自販機スタイルに切り替えた。
最近の客足について聞いてみると、新型コロナウイルスの影響が出て減ってはいるものの在宅勤務でない人が足を運んでいるとのこと。千代田区が路上禁煙ということもあり、普段は愛煙家も多く来ていた。
男性の母親は、ツイッターで閉店を惜しむ声が上がっていることに「ありがたいです」と話しつつ、
「千代田区は本当にタバコを吸うところが少ないので、(閉店後は)どうされるのかな」
と愛煙家を案じていた。