「山手線で一番新しい駅」卒業でご乱心? 西日暮里駅のポスターが攻めてると話題に
2020年3月14日の開業を控えたJR山手線・高輪ゲートウェイ駅。
山手線では49年ぶりの新駅となるが、その傍らでひっそりと一つの時代に幕を下ろす駅がある。48年間にわたって「山手線で1番新しい駅」の地位を守り続けてきた西日暮里駅だ。
高輪ゲートウェイ駅の登場に伴って、山手線では「2番目」に新しい駅となってしまう西日暮里駅。その思いを代弁するかのようなポスターが構内に掲示され、ツイッターで注目を集めている。
「四十八年の末っ子歴に、終止符」
「二番目じゃダメなんでしょうか」
「このスタンプ、押しておくならいまのうち」
時代の流れには抗えない――そんな寂しさと悔しさが入り混じったようなつぶやきが、構内の階段に掲示されている。
山手線を中心としたJR東日本管内の77駅にはスタンプが設置してあり、西日暮里駅のスタンプには「山手線で一番新しい駅」と記載されている。それほど誇りに思っていたのにどうして...と言わんばかりの訴えだ。
ツイッターではこのポスターに対し、
「西日暮里駅病んでて草」
「ここの駅スタンプも変わるのでしょうね」
「ややスネぎみ(笑)」
といった声が寄せられている。
約半世紀にわたって守り続けてきた地位を奪われるのだから、感情的なポスターになってしまうのも無理はない。というかスタンプはどうなるのだろうか...。
Jタウンネットは2月28日、JR東日本の広報担当者に取材した。
現在のスタンプは3月13日終電まで
JR東日本の広報担当者によれば、ポスターは西日暮里駅の社員が制作。高輪ゲートウェイ駅の開業により西日暮里駅が「山手線で一番新しい駅」でなくなることを、利用客に知ってもらいたいという思いから、このようなポスターになったそうだ。
ツイッターでも心配の声があがっているスタンプについて聞いてみると、
「駅スタンプはなくなりませんが、『山手線で一番新しい駅』という文言が高輪ゲートウェイ開業後には使用できないため、文言を変更した駅スタンプを設置予定です。現在の駅スタンプは3月13日の終電まで設置予定です」(JR東日本・広報担当者)
とのこと。ポスターは2月19日~3月31日まで掲示予定だが、「いまのところは」「このスタンプ、押しておくならいまのうち」などは、現在のスタンプとともに撤去する予定だという。無念...。
西日暮里駅は19年10月にはワークショップなどを開催する「エキラボniri」を構内に、12月には複数店舗が入居する「西日暮里スクランブル」を駅前にオープン。20年3月にはコンコースに「コミュニケーションウォール」が完成予定。新駅に負けじと盛り上がりをみせるが、高輪ゲートウェイ駅の開業をどう思っているのだろうか。広報担当を通じて西日暮里駅の社員に聞くと、
「西日暮里駅としては、アイデンティティである『山手線で一番新しい駅』でなくなることはさみしいですが、『弟分』が誕生することで、大変喜ばしいことと思っています」(JR東日本・西日暮里駅社員)
48歳差の弟...これからの成長が楽しみだ。
西日暮里駅の社員はポスターがツイッターで話題になっていることについて、
「想定よりも多くのお客さまがポスターをご覧いただいていることに、大変ありがたいと思っているとともに、驚いています。これを機に、今まで一度も西日暮里駅にお越しいただいたことがないお客さまにもお越しいただいて、谷根千の街と『駅のスタンプ』をお楽しみいただければと思っています」
としている。
西日暮里で「山手線で一番新しい駅」のスタンプが欲しい人、いまのうちだ。