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新潟県民が愛する「ミルクヨーカン」開発秘話 なぜ牛乳パックに入れた?メーカーに聞くと...

横田 絢

横田 絢

2020.02.16 17:00
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牛乳パックからぷるんと出てくる真っ白なスイーツが、ツイッターで注目を集めた。

真っ白なミルクヨーカン(写真はゆずさんのツイートより)
真っ白なミルクヨーカン(写真はゆずさんのツイートより)

その名も「ミルクヨーカン」。新潟県見附市の諏訪乳業が販売する牛乳寒天で、原材料は牛乳と砂糖、寒天のみだ。

いかにも牛乳が入っていそうなシンプルなパッケージに、四角い固体が入っているなんて、なんだか不思議な気持ちにさせられる。

ツイッターユーザーのゆず(@yuzuyu_24)さんが2020年1月、見附市に行ったら必ず買う商品としてミルクヨーカンを紹介したところ、「美味しそう」「食べてみたい」と話題に。

地元民からは

「こんなんどこでも買えると思ってた...」
「牛乳パックのまるごと食べる幸せとんでもないよ」
「美味しいけど食べ過ぎ注意!」

といった反応が寄せられた。

ゆずさんのツイートをきっかけに、ミルクヨーカンは多くの人に注目された。しかし東京・表参道にある新潟県のアンテナショップ「表参道・新潟館ネスパス」のウェブサイトに掲載されている商品紹介には

「素朴な甘みと可愛いパッケージでファンの多い商品ですが、ほとんどが地元消費。都内で買えるのはネスパスだけです」

とある。地元以外で購入するのは難しいのだろうか。

Jタウンネット編集部は諏訪乳業を取材し、牛乳パックに入っている理由や、購入できる場所を聞いた。

先代社長の思い出の味を再現

諏訪乳業の担当者によると、同社では1976年から牛乳と砂糖、寒天のみを使用した牛乳寒天を販売していた。この当時の商品名は「諏訪牛乳ようかん」で、容器も100グラムのカップで牛乳パックではなかったが、これがミルクヨーカンの前身だ。原料に寒天を使用する和菓子の羊羹にかけて「牛乳ようかん」と名付られたという。

牛乳ようかんは、先代の社長が幼少期に父親に作ってもらった思い出の味を再現したもの。酪農家だった父親が、搾乳して余った牛乳をつかっておやつに作ってくれ、そのおいしさ感動したのだそうだ。

その「諏訪牛乳ようかん」が「スワミルクヨーカン」に変わったのは、1987年。常日頃「栄養価の高い牛乳をお客様により多く消費してもらいたい」と考えていた先代社長は、牛乳に付加価値を付けた製品開発に熱心に取り組んでいた。

そしてふと、「牛乳ようかんを牛乳パックの容器にいれてみよう」と思い付いたという。牛乳パックを作る機械はすでに会社にあったため、それを利用し、新たな設備投資をせずに新商品を誕生させることができたそう。従来の100グラムカップに加え、500グラムの紙パック入りが販売されることとなった。発売に際して、「ハイカラな名前にしたい」と名前が変わったという。

写真はゆずさんのツイートより
写真はゆずさんのツイートより

ミルクヨーカンのこだわりは、工場近郊の酪農家が搾る「新鮮・安心・安全の新潟県産生乳」を原乳とする自社製造の「諏訪牛乳」と砂糖、寒天のみで作られていること。先代社長やその父が大切にしていたこだわりを守り、幼児から高齢者まで安心して食べられる製品に仕上げているそうだ。

「容器のめずらしさが話題になり、商品の素朴な味わいと重なりあって、今では諏訪乳業の看板商品となりました」(諏訪乳業の担当者)

2009年10月には「秘密のケンミンSHOW」(日本テレビ系)で紹介され、放送直後から数か月、全国から問い合わせの電話が続いたという。見附市内のミルクヨーカン取扱店の売り場では品切れが起こり、半年間ほど出荷・購入制限も続くほど大きな反響を呼んだという。

現在は、見附市観光物産協会が運営するオンラインストア「どまいち」や見附市内のスーパー・道の駅、市外では県内の一部スーパーや百貨店、東京と大阪の新潟県のアンテナショップで購入できる。

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