何がどうしてこうなった 東京→新潟に帰るはずが、気づいたら北海道にいた男性の話
楽しい遠征を終え、自宅に帰ろうと新幹線に乗ったら、予想外の結末が待っていた――
間違えて逆方向の電車に乗ってしまった。ついつい乗り過ごして、知らない駅についてしまった。電車に乗る人なら、1度はやってしまうだろううっかりミスだ。
ツイッターユーザーのすみれめ論(@thmilemelon)さんも、2020年2月3日にそんな経験をした。
ただし、並大抵の乗り間違いではない。なんと、海を越えてしまっていたのだ。
すみれめ論さんは自身の体験を漫画にして4日に投稿。ツイッターで話題になっている。
新潟に帰るつもりが気づいたら北海道にいた馬鹿なオタクの話 pic.twitter.com/hm5ri9MnHW
— すみれめ論?? (@thmilemelon) February 4, 2020
2月2日、東京でライブを楽しみ、仲間たちとの飲み会に参加したすみれめ論さん。ライブの感想を熱く語り合ったのだろうか、飲み会は翌朝まで続いた。
自宅がある新潟に帰るために早朝の新幹線に乗り、座席に座った瞬間、すみれめ論さんは眠ってしまった。ライブではしゃいだ後に、夜通し飲んでいたのだ。無理もない。
すみれめ論さんが目を覚ましたのは、新幹線が終点に到着する少し前。車内アナウンスが信じられない言葉を告げる。
「まもなく、終点...新函館北斗~」
新函館北斗駅。函館駅から20キロほど離れた、北海道新幹線の現時点での終着駅だ。すみれめ論さんは寝ている間に津軽海峡を渡っていた。
北海道から新潟の運賃は2万8990円

新函館北斗駅についたすみれめ論さんは、事の次第を駅員に説明。すると駅員が新幹線の乗車券と特急券に「誤乗」の判を押してくれ、追加料金なく戻りの新幹線に乗れるようになったという。

最終的には無事に新潟の自宅に戻ることができたわけだが、気付いたら本州から離れていたすみれめ論さん。その驚きと不安はどれほどのものだろう。
Jタウンネット編集部は5日、本人にDMで取材した。
「まず考えたのは手持ちのお金があまり無いのに帰れるのか、ということです」
とすみれめ論さん。真っ先に北海道から新潟へ行く運賃を調べたという。ちなみに、すみれめ論さんが新潟に帰ったルート(大宮で上越新幹線に乗り換え)の運賃は、2万8990円(北海道新幹線は全席指定、上越新幹線は自由席で計算)。高額だ。
「運賃について調べて、これ払わなくちゃダメだよな...と絶望しながら駅員さんに話しかけ、『新幹線を間違えて、すぐに寝落ちしてしまいここまで来てしまったのですが...』と伝えたら、当然呆れられながら『ちょっとこの切符のコピー取らせてね』と奥の部屋へ消えていき、戻ってきたら誤乗の判子を押していただけていました。
そして『じゃあ次の新幹線で大宮駅まで戻ってください』と言われたので、そこでお金を支払わなくても良いことを知りました。
待合室へ行き、時間があったので調べてみたら、無賃送還の制度があると知った、という流れです」(すみれめ論さん)
無賃送還の制度とは、
「旅客(定期乗車券又は普通回数乗車券を使用する旅客を除く。)が、乗車券面に表示された区間外に誤って乗車した場合において、係員がその事実を認定したときは、その乗車券の有効期間内であるときに限って、最近の列車(急行列車を除く。)によって、その誤乗区間について、無賃送還の取扱いをする」(旅客営業規則第291条)
というもの。間違った電車に乗ってしまった場合に、駅員が認めれば、その駅までの運賃と、その駅から目的駅までの運賃はかからない。すみれめ論さんも元々持っていた切符だけで新潟に帰れることになったというわけだ。
初の北海道、駅の待合室で2時間
10時50分ごろに新函館北斗駅についたすみれめ論さんは、12時48分発の新幹線に乗車。初の北海道上陸だったが、滞在時間は2時間弱。その間はずっと待合室にいたという。
「誤乗車なので、買い物等せずにおとなしくしていよう...と反省しておりました...」(すみれめ論さん)
その待合室でとったのが、漫画に登場するグーグルマップのスクリーンショットだ。

「新幹線内で、『新函館北斗駅~』というアナウンスが聞こえてきた際も、あわててグーグルマップを開いたのですが、その時は焦りと不安でスクリーンショットを撮る余裕がありませんでした。
その時のグーグルマップには、北海道の陸地に入った瞬間の場所に自分の居場所があった記憶があります」
とすみれめ論さん。本当に焦っていたことが伝わってくる。
始発の新幹線に乗り、8時13分に新潟に到着する予定だったすみれめ論さん。結局新潟に着いたのは18時48分だったそう。2時間ほどの帰路が10時間越えの大移動になってしまうとは、さぞや疲れたことだろう。
ちなみにすみれめ論さんは北海道に行ってしまう前日、イベントで会ったフォロワーと、こんな会話をしていた。

こんなに早く実現してしまうとは。
ただ今回は本当に「行った」だけ。すみれめ論さんが北海道観光を楽しめる日が来ることを願わずにはいられない。
ところで、Jタウンネットでは、みなさんの乗り間違い体験談を募集中だ。詳細は4日付の記事「ここはどこ?気づいたら全然知らない駅... あなたの『乗り間違い体験』教えてください」をご覧ください。