外房線は「始発からラッシュ」って本当? 早朝とは思えない混雑具合を現地レポ
「時差出勤」という言葉をよく聞くようになってきた。働き方改革の一環として、朝8時から9時前後の通勤ラッシュを避けて、オフピーク通勤をしようという呼びかけだ。
今夏の東京オリンピック・パラリンピックに向けた交通混雑対策の一環だとも......。官公庁や大手企業、鉄道会社が積極的に取り組んでいるようだ。
そんな中、千葉県の房総半島を走るJR東日本外房線が、始発からやたら混んでいる、という噂を聞いた。本当だろうか?
2020年1月14日早朝、Jタウンネット記者は、外房線の鎌取駅に向かった。そこで見た光景は......?
5時32分千葉行きの始発(6両編成)は、写真上のような状況だった。
鎌取駅は千葉駅、蘇我駅に次ぐ、外房線では3番目に乗降客の多い駅だ。千葉・市原ニュータウンの「おゆみ野」「ちはら台」地区の玄関口であり、ベッドタウンとして人口が急増してきた地域だ。
とはいえ、まだ5時半である。通学の学生の姿はなく、ほとんどが通勤客のようだ。次の蘇我駅で京葉線に乗り換えるか、その先の千葉駅で総武線に乗り換えるのだろうか。つまりそこで座れるかもしれない、運が良ければだが......。7時前には東京に着けるだろう。
朝6時だけど、これラッシュだろ?
5時32分の始発の次は、6時5分の千葉行きだ。6時近くになると、ホームには列ができた。年配の人もたまに見かけるが、どちらかというと若い人が多いようだ。
6時5分の電車(8両編成)がやってきた。始発より、乗客の数は明らかに増えている。誉田、土気、大網など各駅からの乗客も増えたのだろう。乗降口によっては、乗り込むのに苦労するところもありそうだ。東京都心の通勤電車ほどではないとしても、充分ラッシュと呼んでもいいかもしれない。
6時5分の次は、6時25分だった。運行する列車の本数が少ないのは、この時間帯だから仕方ないのだろうか。「時差出勤」に備えて、早朝の運行本数を増やす計画はあるのだろうか。少なくとも東京オリンピック・パラリンピック期間には、臨時列車などを企画した方が良いかもしれない。
6時25分の電車(6両編成)がやってきた。乗客の数はさらに増えている。乗り込むのはなかなか大変そうだ。次の蘇我駅で、京葉線に乗り換える人の割合はどのくらいだろうか。京葉線も相当に混んでくるはずだ。京葉線に乗り換えて、座れるかどうかは微妙になってきた。千葉駅なら総武線各駅停車に乗り換えれば、座れるかもしれない。
......などと想像しているうちに、非常に寒さを感じてきた。暖冬とはいえ、1月中旬の早朝である。いくらヒートテックを着込んできたとはいえ、鎌取駅での定点観測は限界に近付いてきた。次の6時36分の快速電車に乗ることにしよう。京葉線乗り入れの東京行きだ。
6時36分の快速電車がやってきた。ワインレッドの車両が新鮮に感じる。10両編成であるためか、混み方はそれほどでもなかった。車内は暖房が効いていて、暖かかった。寒さに震えていたJタウンネット記者は、ここで救われたのである。
途中、海浜幕張駅や南船橋駅、新浦安駅、新木場駅などで降りる人も多少いたが、ほとんどの乗客は東京駅まで向かった。残念ながら、座ることはできなかったが、苦痛なほどの混み方ではなかった。むしろ充分快適だったと思う。
7時26分、東京駅の京葉線ホームに到着した。改札を出て、東京駅丸の内方面の南口に向かった。まだ人通りは少なかったが、ジョギングをする人も見かけた。「朝活」というのだろうか。東京駅周辺に勤務する人なら、8時頃から勤務に入れるのだろうか。
「時差出勤」を先取りするような光景を、外房線・京葉線経由で見てきたわけだが、8時に出社して、17時頃に退社できれば、「時差出勤」も悪くないかもしれない、そう思ったのだが、前夜、何時に寝るか、それが問題だなぁ。仕事帰りに一杯なんて、夢かも......。