「さすが青森」としか言いようのない鏡餅が青森で発見される
大きな餅を神様に供える正月飾り「鏡餅」。多くのご家庭ではその頂上を飾るのは橙(だいだい)だろうが、青森県ではひと味違う鏡餅が供えられることもあるようだ。
そう、青森の名産物、リンゴが堂々と鎮座しているのだ。
餅の白とリンゴの赤の紅白カラー。「代々栄える」橙ではないが、こちらも縁起がよさそうだ。
青森県在住のツイッターユーザー・Manato.N(@mn_05410)さんが1月8日に投稿したツイートは9日夕現在1万2000件以上のリツイートと3万9000件以上のいいねを集めるなど注目されている。
北海道から青森に引っ越してきたManato.Nさんが最も驚いたというこの光景に、
「さすが青森!」
「えっ...嘘でしょ??」
「青森の、リンゴに対する思いは伝わった」
という驚嘆の声が上がっている。
なお、青森県民だというユーザーからは
「これ青森あるあるだけど、腰抜かされるレベルとは...」
「青森県民35年やってますが、初めて見ました!」
と正反対の反応が。見たことない、というコメントの方が多いようなので、青森県内でも一部の地域のみで広まっている風習なのだろうか。
Manato.Nさんがこの鏡餅を見たのは、リンゴの生産量日本一を誇る弘前市。
地域活動の一環で訪れる町内会では、毎年大きなリンゴが乗った鏡餅が飾られているという。青森市では鏡餅にリンゴをのせることを推進する運動があり、町内会にもその影響で定着したのではないか、とManato.Nさん。
Jタウンネット編集部は9日、その運動を行う青森商工会議所青年部を取材した。
本来は小さな姫リンゴをのせる「お供えリンゴ」
青森商工会議所青年部の担当者によると、鏡餅の上にリンゴをのせることを推奨する運動の名前は「お供えリンゴ運動」。
この運動は2002年から続いており、毎年12月中旬~下旬に青森駅前や新青森駅前などで、青森市浪岡で収穫した小ぶりの「姫リンゴ」を無料配布しているという。浪岡は2005年に青森市と合併した地域。担当者は
「合併ということもあって、仲良くしていきましょう、というか消費拡大というか、そういう観点で始めたと聞いたことがあります」
と話す。浪岡の姫リンゴを青森市全体に知ってもらう、という目的があるようだ。
20年近く運動を続けていることもあり、「お供えリンゴ」は徐々に浸透しているようで、毎年「小さいリンゴはどこで買えるのか」という問い合わせがあるそうだ。
ただ、姫リンゴはあまり一般的に販売されておらず、配布される姫リンゴも生産者の善意で提供されているものだという。その年の収穫量によって配布数にばらつきはあるが、2019年は段ボール10箱分ほどを配ったそうだ。
「小さいリンゴが手に入りにくいっていうのもありますし、普通に売られている大きいリンゴをのせている方も居るんじゃないでしょうか」
と担当者。
これからも続いていくという「お供えリンゴ運動」。今後の展望を聞くと、
「個人的には、お店で姫リンゴが買えるようになればいいな、と思います」
と答えてくれた。