東京メトロ「乗り換え案内」表示の秘密 黄色とオレンジの線には特別な意味があった
地下鉄の路線名表示の上に引かれた黄色やオレンジのライン。東京メトロが採用しているデザインだが、このラインに意味があることをご存じだろうか。
ツイッターでは2019年11月14日、こんな投稿が話題となっていた。
「東京メトロの乗り換え駅で上に線が引かれてる路線は、乗り換えるときに改札を一旦出ることを表してるんだよね」
しかも、黄色・オレンジというラインの色にも意味があるという。いったい、どういうことなのか。Jタウンネットは、東京メトロに取材した。
オレンジ改札に切符を入れないと...
東京メトロの広報担当者は18日、路線表記の上にラインを引いている理由について、
「基本的なお客様の考えでは、のりかえの際に改札口を出場する考えがありません。このため改札外のりかえが必要な箇所には、意識付けのために、(ラインの)表示をしております」
と説明する。
黄色とオレンジでラインの色を分けているのはなぜだろうか。
「自線の改札外のりかえの時に通常の自動改札機に投入すると(切符が)回収されてしまうため、あえて違う色(自動改札機と同じ色)を使うことで、より意識付けができると考えております」(担当者)
メトロ同士の乗り継ぎで1度改札の外に出る場合、ICカードはどの改札を通っても乗り継ぎ扱いとなるが、切符だとそうはいかない。オレンジ色の乗り換え改札でないと乗り継ぎ扱いにならず、もう1度入場するための切符が出てこない。
つまり、切符ユーザーに注意を促すため、案内表示からオレンジのラインを使っているというわけだ。
こうしたライン表示は2004年より、全ての改札外のりかえがある駅で採用。また、乗り換え時間はIC、切符ともに30分以内で、それを過ぎると新たな料金が発生してしまうという。
乗り継ぎ用のオレンジ改札の存在は知っていたが、ラインで色分けまでされているとは...。探してみると、筆者がよく使う有楽町駅だけでも、あらゆるところにライン表示が見られた。これも、乗客が間違えた改札を使う可能性を減らすための工夫だったのだ。
東京メトロはライン表示が話題になったことに対して、
「ご利用のお客様に興味・関心をお持ちいただき、SNS上で話題にしていただけることを有難く感じております。今回の乗換表示を含む案内サインについて、お客様に分かりやすい表示を今後も検討していきたいと思います」
と話している。