老人のために子供の球技が禁止された遊び場 警告文には「人の痛みの分かる人になりましょう」
団地の遊び場――といえばあなたはどんな姿を想像するだろうか。周辺に住む子供が集まり、走り回ったり遊具で遊んだりと、にぎやかに過ごす様子が目に浮かぶのではないか。
ツイッターではあるユーザーの投稿をきっかけに、東京都内のある遊び場に掲示された、こんな注意書きが話題となっている。
「お年寄りや体の弱っている方々は、
金あみに野球やサッカーボールのあたる音が大変苦痛に感じます。
これらの球技は絶対にやめてください。
人の痛みの分かる人になりましょう」
ここで遊びたい人とお年寄り、双方の気持ちを察しうるだけに、最後の一言が胸に刺さる。周囲に建ち並ぶ団地では、いろいろな状況の人が暮らしているのも事実だが...。
ツイッターではこの注意書きに対し、
「公園ってなんだっけ...?」
「思いっきりスポーツのできない子供達の心の痛みはどうすれば......」
「金網をネットに変えてあげたらいいんじゃないんだろうか 遊ばせてあげたい」
といった声が寄せられている。
住民の声を受けて設置
Jタウンネットは2019年11月20日、この団地を管理するUR都市機構に話を聞いた。
この注意書きが設置されたのは2003年頃。広報担当者は正確な経緯は定かではないとしながらも、
「お住まいの方からのご意見を踏まえて、取り付けられたもののようです。この団地内のプレイロット(遊び場)は住棟に囲まれたところに位置しておりまして、金網にボールが当たると周囲に響いてしまうことから、配慮いただきたいということで設置したものだと思われます」
と説明した。使用は申込制ではないので詳しくはわからないそうだが、遊び場は学校から帰った小学生らが使用しているという。
この団地には他にもいくつか遊び場があるが、すべての場所でボール遊びが禁止されているわけではない。ただ、団地によってはこの遊び場のように禁止されてしまっている場所もあるようだ。
担当者は注意書きがツイッターで話題になったことを受け、
「ツイッターで非常に多くのコメントなどが寄せられているのは承知しております。
プレイロットについては共用部分であってみなさまに気持ちよくご利用いただきたいという趣旨であります。今回の件についても、表現など検討するかどうかは未定ですが、お住まいのみなさまと相談させていただきたいと思っております」
と話している。