「Twitter民の力を貸してくれ」 台風で甚大な被害を受けた果樹園を、1人のツイートが救った話
「本当にありがたく思っております」
投稿者が「さわやか果樹園」の状況に気づいたきっかけは、何だったのだろう?
「直接の被害の状況は分かりませんでしたが、報道で県北地区の被害が酷いという内容は知っていました。 休日に家族と県北方面に出掛ける用事があり『帰りがけにリンゴを買っていこう。どうせなら毎年寄らせてもらっているさわやか果樹園に行こう』となったのがきっかけです。さわやか果樹園様の甚大な被害を知ったのは直接話を聞くまで知りませんでした」
「さわやか果樹園」のある茨城県北部にはよく行くのか、と聞くと......、
「県北、奥久慈方面は、定期的に出かけております。多数の観光名所、農作物や奥久慈シャモ、常陸秋蕎麦などなど、魅力がたくさんあるからです」
「さわやか果樹園」の最近の状況を聞いてみた。
「数日前に『騒ぎを大きくしてしまった。自分のツイートが原因で迷惑を掛けていないか?』と思い、電話にて確認させていただきました。 すると逆に感謝され、ツイートを見た多くの方が押し寄せているとのことでした。おかげで美味しいリンゴを改めて買いに行く前に、売り切れとなってしまいそうです」
ツイッター上の反響で、とくに印象に残ったことは何か、と聞いた。
「被害の報道がごく一部だけに限って行われていること。報道されない被災地がまだたくさんあること。実際に被害を目にすると自分の無力さを思い知ること。そしてツイッター民の優しさ。これに尽きます。自分のツイートがきっかけとなって被災地の支援に少しでも繋がって、継続的に県北地域の復興になってくれればと切に願います」
投稿者の呼びかけを受けて、ツイッターにはこんな声が寄せられている。
「昨日買いに行きました。おばあさま曰く、木曜も何人かTwitterを見て買いに来てくれたのとことです。今食べてます、大変美味しいです」 「本日、現地に行って買ってきました! お嫁さんとお婆さんが 非常に優しくしてくれました!」 「折れてしまったリンゴの木、うさぎやハムスター小動物のかじり木として売れます。 売ってたら買う飼い主もいると思いますので、生木でいいので並べてみてはどうでしょうか?」
さっそく出かけていったという報告や、ちょっと行けないがリツイートで協力したいという人など、さまざまだ。
Jタウンネット編集部は、さわやか果樹園に電話して、ご主人の高村一夫さんの話を聞いた。
「ツイッターを見たとおっしゃる方がたくさん来られて、残ったりんごを買い求めてくださいました。大変力づけられました。もう残りわずかとなって、今週末あたりには売り切れとなりそうです。本当にありがたく思っております」
高村さんは80歳を超える高齢だが、パソコンは日常的に使っているそうだ。ただツイッターは見たことがないという。いま困っていることは何か、と聞いてみた。
「倒れているりんごの木を起こす作業が大変です。根が残っている木を起こして、添木を当て支えたら、また根付くのではないかと考えているのですが、これがなかなか難しい。りんごの木は重いですから。どうやろうか、頭を悩ませているところです」
高村さんの作業を手伝おうという、力自慢の「Twitter民」はいないだろうか。