「マヨ」「ネー」「ズー」と三つ子を命名 ネーミングセンスが独特すぎる動物園が話題に
2019年10月31日に投稿された次のようなツイートが、いま話題となっている。
のいち動物公園、さては名前のセンスが独特だな? pic.twitter.com/PwdXl8c2Qr
— あめこ@12/29西A-15a「DSDproject」さん百合アンソロ参加 (@aaamecooo) 2019年10月31日
写真を見ると、「ビントロングの三つ子命名」と書かれたパネルのようだ。ビントロングとは、ジャコウネコ科に分類される、東南アジアに生息している動物だ。別名クマネコ(熊猫)などとも言うらしい。
いやいや、ビントロングはともかく、問題はその名前の方だ。
三つ子の名前は、マヨとネーとズー、3匹そろって「マヨ・ネー・ズー」。なんとも美味しそうな、思い切り大胆な、脱力感たっぷりな名前ではないか。いったいどういうこと?
「のいち動物公園、さては名前のセンスが独特だな?」というコメントも添えられている。Jタウンネット編集部は、投稿者に聞いてみることに......。
母親の名はケチャップ、父親の名はソルト
のいち動物公園とは、高知県香南市にある「高知県立のいち動物公園」のことらしい。
投稿者によると、
「高知には旅行で訪れました。前回、仕事で訪れたのですが食事が美味しくてまた行きたいなと思い、3泊4日で観光をしました。のいち動物公園には初めて訪れたので、名前について気づいたのは、写真にあるような説明展示がしっかりされていたからです」
投稿者は、神奈川県在住。今回の旅行のきっかけは、岡田以蔵にハマり、土佐勤王党や幕末関連の史跡を巡りたいと思ったからだという。のいち動物公園のことは、高知龍馬空港の観光案内窓口で教えてもらったそうだ。
というわけで、投稿者は岡田以蔵だけでなく、ビントロングの「マヨ・ネー・ズー」と出会ったわけだ。
「動物園の展示の充実に驚き、また、ユニークな名前の動物たちにクスリとさせられました。 また、カワウソのペットブームに対する啓蒙的な展示していたり、小児麻痺のチンパンジーのリハビリとQOL向上の課程や、その背景知識を子供にもわかりやすくオープンに展示したり、誠実で素晴らしい動物園だなと感じました」
Jタウンネット編集部は、今度はのいち動物公園に電話で聞いてみた。
電話で答えてくれたのは、高知県立のいち動物公園の広報担当者だ。まず、なぜ「マヨ・ネー・ズー」なのか、聞いてみよう。
「ビントロングの三つ子の名前は、公募で452通の応募がありましたが、この『マヨ・ネー・ズー』に決まりました。実は、母親の名はケチャップ、父親の名はソルトでして、先に生まれた兄弟は、ポンズ、ポップ、コーンと名付けられていました」
なるほどビントロング・ファミリーの名前は、食品でまとめられているようだ。磯野家の名前が海産物で統一されているように......、そうか、納得するしかない。
400通の応募があったが、多数決ではないそうだ。その中から、担当職員や飼育係がピンときた名前が選ばれる傾向が強いという。もちろん園長をはじめ各部署の責任者も参加する合議制ではあるが、最終的には現場の人間の意向が通ることが多いらしい。
「ケチャップとソルトの子なら、『マヨ・ネー・ズー』じゃない?」と飼育係が主張すれば、反論はできなかったのだろう。まさに正しい判断と言える。
この高知県立のいち動物公園が、「日本の動物園ランキング2019」で、1位に選ばれたことをご存じだろうか。世界中で使われている旅行者向け口コミサイト「トリップアドバイザー」の最新結果だ。
「緑が多い、自然と一体感がある」「動物がのびのびしている」などと高評価が寄せられているという。パンダで有名なアドベンチャーワールドや、北海道の旭山動物園を抑えての、堂々トップである。
広報担当者によると、「ハシビロコウやレッサーパンダ、カワウソなど、個体のファンが増えたような気がします。また県外、とくに関東からの来園者の数も増加しています。当園が高知龍馬空港から近い、というロケーションの良さも影響しているのかもしれません」
高知空港にはLCCの就航便数も増えていると聞く。高知に飛んで、「マヨ・ネー・ズー」に会いに行くのも、ありかもしれない。