両親と過ごせる「残り時間」、あと×日だけ... 「セイコー時間白書2019」が色々と考えさせられる
就職や進学などを機に、実家を離れる人は多いだろう。
すると必然的に、両親と顔を合わせる機会は減る。もちろん、人によって事情はさまざまだが、仕事や育児など日々の生活に追われ、なかなか帰省できない――。そんな人も、決して少なくはないハズだ。
では、私たちが父母と直接会って話をすることができる「残り時間」は、いったいどれくらいなのだろうか。
そんな気になる調査結果が、セイコーホールディングスが2019年6月6日に発表した「セイコー時間白書2019」の中で紹介されていた。それによると、両親と別居している35~39歳の人が、母親と直接会って話すことができる時間は、
「26.1日(626時間)」
しか残っていないというのだ。
大切な人との「残り時間」は...
セイコー時間白書は、6月10日の「時の記念日」にちなんで、セイコーが実施している意識調査。今年で3回目となる。調査は全国の10~60代の男女1200人を対象に、4月24~25日にネット上で行われた。
「時間白書」というタイトル通り、この調査では「1時間の価値はいくらか」や「最も大切にしている時間帯」などのトピックを用意。アンケート結果をもとに、現代人が「時間」という概念をどのように捉えているかを分析している。
こうした調査の中で取り上げられたのが、
「大切な人と過ごせる生涯『残り時間』」
というテーマだった。
これは、父親・母親・旧友と直接会って話す機会(会って話す頻度、1回あたりの時間)を質問。その結果から、人生の中で後どれくらい一緒に会って話す時間が残っているかを、5歳ごとの年齢テーブル別にまとめたものだ。
まずは、母親から。
先ほども紹介したが、別居している35~39歳の人に残された時間は「26.1日(626時間)」。もう1か月を切っているのだ。少し驚いたのが、15~19歳ですら、別居している場合は69.4日しか残っていない。
続いて、父親の場合。こちらは、母親よりも「残り時間」が少なくなっている。
おおよそ、母親の半分ほどの時間になっている。35~39歳(別居)場合、残っているのは11.5日(276時間)。すでに2週間を切っているのだ。
最後に、旧友との時間。こちらは、以下のような結果となった。
いずれにしても、残り時間について「意外と少ない!」と驚いた人が多いのでは。じゃあ、残された時間を大切に過ごすためには、どうすればいいのか。
それについて、「大人の時間はなぜ短いのか」(集英社新書)などの著作で知られる千葉大学の一川誠教授は、今回の「時間白書」でのインタビューで、「いつものルーティンとは違う、なにか特別なイベントを一緒に体験するといいですね」として、次のように助言している。
「家族旅行というのは昔からある家族イベントのひとつですが、旅行に行くことで、同じ体験ができ、明確な記憶につながります。特別な経験はより明確に思い出すことができ、豊かな時間を過ごしたという満足感につながります」
――親と離れて暮らしている人は、参考にするといいかもしれない。