寿司を「手で食べる人」は少数派 全国調査で判明、7割強が「箸を使う」
寿司は手づかみで食べるか、それとも箸で食べるか――。どちらが正解などのルールはないが、人によってそのスタイルは分かれそうだ。
シャリとネタを崩さず食べやすい「手づかみ」と、衛生的にも安心な「箸」。互いに一長一短な部分があり、どちらが優れた食べ方かも決めづらい。手づかみの方が「粋だ」という感覚も、宅配寿司や回転すしがメジャーなった現代では薄れているかもしれない。
そこでJタウンネットでは、「寿司は手づかみ?それとも箸で食べる?」というテーマで読者アンケートを実施した(2019年4月16日~5月16日、総票数829票)。はたして、その結果は。
寿司文化の「変化」浮き彫りに
こちらが、全国の結果をまとめた図表だ。ご覧の通り、「箸」派が586票(70.7%)を獲得し、243票(29.3%)の「手づかみ派」を大きく上回った。票差はダブルスコアで、現代人の主流は「箸」だと言い切れる結果になった。
しかし、全国組合「全国すし商生活衛生同業組合連合会」が公表しているパンフレットをみると、握り寿司が誕生した江戸時代では「手でつまんで食べるのが普通」だったという。その後、徐々に箸を使って食べるようになっていったそうだ。
こうした歴史を考えると、寿司をめぐる文化は現代になって様変わりしたことになる。かつてはメジャーだった「手づかみ派」が、現代では「箸派」に押されて少数派になったからだ。
また、Jタウンネット記事に寄せられたコメントを見ると、
「回転寿司ならお箸で食べます。回転寿司でない、職人さんが目の前で握ってくれるちょっと高いお店なら手づかみで食べます」
との声も。今ではファミレスに近い使われ方をされるようにもなった回転すしの普及が、食べ方の傾向に変化を生んだともいえそうだ。
地域別の結果は...?
都道府県別の結果を見ても、箸派が圧倒的だ。なんと47都道府県のうち44地域(結果が拮抗した岩手、和歌山、山口、香川、長崎、大分の6県を含む)で、箸派が優勢な結果となったのだ。手づかみ派は、群馬、山梨、島根の3県だけだった。
五大都市の結果をみていくと、北海道(手づかみ42%、箸58%)、東京(手づかみ34%、箸66%)、愛知(手づかみ5%、箸95%)、大阪(手づかみ34%、箸66%)、福岡(手づかみ39%、箸61%)だった。
東京と大阪の結果が同じだったこと、愛知が圧倒的に箸派だった点などが目を引く。そのほか、滋賀では箸派が100%だった。「西高東低」など全国的な傾向は見い出せなかったが、地域によって結果には大きな違いが出ていた。
ちなみに、先述した「全国すし商生活衛生同業組合連合会」の資料では、次のような一文もあった。箸派の皆様も、参考にしてみてはいかがだろうか。
「(手か箸かは)どちらでも良いのですが、すし飯がこぼれず、しょうゆにつけやすいといった食 べやすさからすると、手で食べる方が本来は適しています。ただし、食べる前に手をよく洗っておきましょう」