三重の山奥にある「謎のソニック像」 設置主の遺族が、すべての真相を語った
三重県「全く情報がない状況」
2日、Jタウンネット編集部はまず三重県の広報担当者に話題のオブジェについて聞いてみたところ、
「全く情報がない状況」
との回答。なかなか取材は難航しそうだ。話題のオブジェの近隣に位置する「古民家の宿 ふとみ」に問い合わせてみると、
「私たちも10年くらい前に宿をやり始めたのですが、その時にはすでに(オブジェは)ありました。小寺さんという方が別荘を持たれていて、別荘の入り口の目印として設置されたと聞いております」
たしかに、ソニックの近くに「小寺山荘」という看板がある。
しかし、小寺山荘の主人は数年前に逝去され、山荘の現状に関して詳しいことはわからないそうだ。
Jタウンネット編集部はさらに取材を進め、亡くなったご主人の遺族の男性に話を聞くことができた。
「うちの親父、小寺右二が小寺産業という会社をやっていたのですが、以前大阪の門真市に『セガワールド』という路面店を所有していました。事情により15年くらい前に解体することになり、備品類を関係者で引き取ることにしたのですが、親父が『ソニックは自分で引き取る』と持ち帰ってきました」
現在、ソニック像が設置されている場所の近くに山小屋を所有していた故・小寺右二さん。山小屋への道は道路から非常に見えにくく、目印として引き取ったソニックを設置した。
「人を集めていたタイプの人間だったんですよ。山小屋に人を呼ぶときも『ソニックのあるところを目指してきてくれたらいいよ』と言っていました」
話題のソニックには実は故人の気遣いが反映されているようだ。今回話題になったことについて、
「人を集めるのが好きな親父だったので、喜んでいると思います」
と生前を振り返る。さらに、故人を思い出して感極まる部分があったのか、ところどころ涙声になりながらも、
「湿気の多いところなので、(ソニックの)コケがすごいんです。記事になったのは知っていて、昨日も残された家族で『じゃあ綺麗な色で塗ってやるか』と話していました」
と残されたソニックについて語ってくれた。
――伊賀市の山中に、今もたたずむソニック像。今回、改めて大きな注目を集めたことで、人好きだったという故人も喜んでいるのかもしれない。