役目終えたリフトに「今までありがとう」 JR御茶ノ水駅、粋な対応が泣ける
JR御茶ノ水駅(東京・千代田区)に、ホームと改札口をつなぐエレベーターが設置された。2019年1月29日のことだ。これで駅のバリアフリーは大きく進み、利用者からは喜びの声が相次いでいる。
だが、エレベーターの導入に伴って、静かに役目を終えたものがある。それは、階段の昇降機。これまで、車いすの利用者を幾度となく運んできた、いわゆるリフトのようなものだ。
エレベーターの導入後、直に撤去される昇降機。この設備に、駅員が粋なメッセージを送っていた。その貼り紙が、こちらだ。
この貼り紙の写真は、ツイッターユーザーのs@wa(@am_sawa1953)さんが撮影したもの。御茶ノ水駅社員一同の名義で、「今まで長い間 ずっと活躍してくれてありがとう。お疲れさまでした」と感謝の言葉がつづられている。
「昇降機は撤去いたしました」
そのほか、s@waさんはこんな写真も撮影していた。エレベーターの導入によって、昇降機がお役御免となったことを示している。この「使用停止中」の貼り紙の横に、どこかひっそりと貼られているのが、先ほどの感謝のメッセージだ。
こうした駅側の粋な対応に、s@waさんは「大事な存在だったんだなあ」との感想も呟いていた。
なお、この貼り紙の写真がアップされたのは2月4日。エレベーターが導入されてすぐのことだった。
Jタウンネット記者が、26日朝に改めて御茶ノ水駅を訪れると、すでに階段脇から昇降機は姿を消していた。もちろん、感謝の貼り紙もない。近くにいた男性駅員に事情を聞くと、彼は笑ってこう話した。
「2月中旬頃までに、昇降機は撤去いたしました。いまはもう、ございません」
――その笑顔は、どこか寂しげに見えた。