日本一残念な交通系ICカード「ICOUSA」 どうしてこうなった?社長を直撃すると...
「『何ソレ』と軽くあしらわれる」
ツイッターに届いた反応を見てみよう。
ダメダメ度では飛び抜けてるよ。
— あいこう (@aiko_bus) 2019年2月15日
・駅前の市の案内所で「何ソレ」と軽くあしらわれる
・公式では使えることになっているスーパーで「そんなカードあったっけ」「そういえばあったけどどこで売ってるか知らない」と言われる
・結局のところ、まちづくり福井の事務所でしか手に入らない
実話です。 https://t.co/0HdQ0EHCLB
コミュニティバス「すまいる」の乗車一回につき100円のところ、コレを使うと90円で乗れたのだけど、もうそのサービスは終わっているので、うまみが一切ないICカード。
— 端音まひろ (@scrap_sky) 2019年2月16日
「駅前の市の案内所で『何ソレ』と軽くあしらわれる」「うまみが一切ないICカード」などと、やたら手厳しい。地元民からこれほどまでに酷評される「ICOUSA」とは何だろう?
Jタウンネット編集部は、2019年2月19日、福井県に電話して聞いてみた。
電話で答えてくれたのは、「ICOUSA」の発行・運営元である「まちづくり福井」の岩崎正夫社長だった。「まちづくり福井」は福井市からコミュニティバス「すまいる」の運行も委託されている第3セクターである。
「ICOUSAは2018年11月現在で、2335枚発行されています。2017年度の使用実績は、2万1213件です」
現在は、主にコミュニティバス「すまいる」の運賃(100円)に使用されている。かつては、福井市内の加盟店数軒で使用できたが、閉店してしまったという。いまでは、市内4ルートを走る「すまいる」以外では使えない。
「ICOUSA がコミュニティバスに導入されたのは2011年3月でした。バスの運賃は一律100円でしたが、将来値上げすることもあるかもしれない。その際、10円なり15円を追加するのに、お年寄りは手間取るだろう。それならICカードの方が便利だろうと考えて、導入を決めました」と岩崎社長。
ICOUSAで他社のバスや鉄道との相互利用は考えられないのか、と聞いてみた。「福井県はICカード化がもっとも遅れている地域の一つで、他社も対応はこれからのようです。具体的に発展する可能性はまだ低いかもしれません」と岩崎社長。
スーパーやコンビニなど、流通業界で利用できる可能性はいかがですか? と聞くと、「すぐに手を広げるつもりはありません。利用範囲の拡大については、まだ様子を見ている段階です」と答えた。
「日本一ダメなICカード」とも噂されていますが......と聞くと、「ツイッター、見ましたよ。困りましたね(笑)」と返答を避けられてしまった。