韓国「ソックリ菓子」ガチ食レポ 謎のケミカル臭に困惑...違和感だけが残った「ポッキー」
日本でお馴染みのスナック菓子とよく似た「ソックリ菓子」を、東京・新大久保で大量に入手したJタウンネット。韓国ではメジャーだというソックリ菓子は、「日本版」とどう違うのだろうか。
編集部員がマジメに食べ比べをする企画の第六弾にして最終回。今回はこちらをレビューする。
1966年発売のグリコ「ポッキー」と83年発売のロッテ「ペペロ」だ。第一弾セウカンに並び、韓国のソックリ菓子の代表格とも言えるペペロ。インターネット上にはペペロのパッケージ写真は多くあっても実際に袋を開けたものは少ないはず。今回のレビューでどんな違いが発見できるのか。
過去最難関の見分け
ポッキーは66年発売の言わずと知れたロングセラー商品だ。ドイツの焼き菓子プレッツェル風のスティックにチョコレートがコーティング。手が汚れないようにスティックの一部にチョコレートがかかっていない工夫がされている。
一方、ペペロも83年と実に17年の遅れをとっているが発売からすでに30数年。ロングセラー品の仲間入りをしている。
66年は読売ジャイアンツの堀内恒夫さんがルーキーとして活躍し、V9の2連覇目を果たした。83年になるとその堀内恒夫さんが現役引退。かなりのブランクを感じさせる。
実は2つの菓子。実物以外の部分でも似ている。11月11日は日本ではポッキー&プリッツの日として知られている。しかし、韓国では11月11日を「ペペロデー」として大々的に展開。記念日を使った展開すら被せるのか―― と思いがちだが、ポッキー&プリッツの日は99年にスタート。ペペロデーは諸説あるものの起源は94年に釜山の女子高生から広まったという説が有力とされている。
ちょっとした因縁のようなものすら感じるが、どちらも「国民的お菓子」として人気なのは間違いない。ましてやロッテは第三弾で紹介したチョコパイの比較でも後発ながら味の面では高評価を得る健闘を見せている。
日韓友好のためにもしっかりレビューしよう。
ペペロは54グラム入りの大袋が1つだけ。ポッキーは36グラムの小袋が2つ入っている。チョコだけにちょこちょこ食べたい人にはポッキーが向いているだろう。
袋を開けて驚いたのが、どちらがペペロなのかをわかっていると、意外と簡単に見分けがつくことだ。ポッキー方がスリムで長い。ペペロは太く短めである。ペペロの方は若干コゲのくぼみが大きいという違いもある。
冷静に判断すれば見分ける材料は多い。しかし、全く何もわからない状態で見せられたら筆者もダマされそうだ。
肝心な味だが、ポッキーはスティックの少し酸味があるチョコと風味のあるスティックのコンビでクセのある味だ。
ペペロは食べた瞬間にポッキーより太いため歯ごたえの良さを感じた。チョコは鼻につくケミカルな臭みが襲う。薬品臭さは「チョコパイ情」に匹敵する酷さだ。そのせいかスティックの風味が目立つため、スティックのだけはペペロの方がいいかもしれないと感じた。
しかし、チョコの薬品臭さがこっぴどいため、総合的にはポッキーの圧勝としたい。何を付けたらこんなにチョコがマズくなるのか不思議でたまらない。
さて、ここでいつも通りJタウンネット編集部の食べ比べと行きたいところだが、彼らはもうダメになっている。前回、エリーゼとチョコハイムの食べ比べで特徴をすぐに付け出し韓国版を特定する超能力を発揮。いきなり玄人の目に触れさせても何の面白みがない。
そこで順番と人選を最終回にして変えた。まずは姉妹サイトJ-CASTニュースのT編集長からいこう。今回は見た目のソックリさも考慮し、クイズ形式で進める。
T編集長は渡した2本ともペペロだと思い込んでいたようで、どちらかがポッキーであると伝えると、「本当に似せてくるね」と感心。さらに試食をしても、
「食べただけじゃわからない」
と、まさかの事態になってしまった。T編集長もこの企画の常連だが、中々答えにたどり着かない。しかし、チョコのコーティングの雑さを指摘して、無事ポッキーとペペロを見分けた。
これは6回目にして最難関の予感がする。続いて、1階のオフィスに移動し、この企画に初参加の2人も協力をお願いした。
開発制作部のKさんは、見た目の時点で相当悩んだ。しかし、得体のしれない物は食べられなかったのだろう。頑なに試食をせず、全く分からないとの結論に至った。
続いてラーニングソリューション部のSさん。彼も見た目では判別がつかなかった。実際に食べてみると、その差が分かったようで、
「ポッキーの方が美味しい」
無事ポッキーとペペロの振り分けに正解した。
やはり見た目では難しいのか。しかし、通りかかったJ-CASTニュースの井上公造ことS記者にクイズを出すと一瞬で見分けがついたようだ。
「ペペロの太さは違和感がある」
普段ポッキーを愛しているのか、太さの違和感ですぐ正解を導き出した。
正解率は高いものの、一瞬ではわからない。今回のシリーズで初めての出来事だ。
それでは本丸のJタウンネット編集部に行こう。これなら彼らもすぐに当てられない。そう思ったのも束の間だった。若手選手会長のN記者は、差し出した瞬間にポッキーがどちらなのかを当てた。やはりどうしようもないようだ。
では、味の話に切り替えよう。N記者は筆者同様に「ケミカルな味」と形容し不快感をあ露にした。
京都大学出身のホープO記者は見た目のふぞろい感を指摘しつつ、口に入れると手で口をふさいで黙った。よほど、口に合わなかったのだろう。
学生時代はロックに向き合い感覚を研ぎ澄ましたS編集長は「珍しく食感が似ている」と一定の評価をしつつ、
「チョコのコーティングがペペロの方が薄い」
と指摘した。
そんな違いがあるわけないと、改めて断面を見た。
大変だ。いよいよこの違いまで認識できるようになってしまったのか。簡単に視認できるほどコーティングの厚さが違う。また、スティックも断面の色が若干異なる発見もあった。
最後は編集部の山本昌ことM記者、
「日本の方は美しいね」
清々しいほどペペロを突き放すコメントだ。
6回の食レポを終えて
ここまで6品のソックリ菓子を比較した。この経験でJタウンネット編集部は本物と偽物を見分ける謎の能力が身についてしまう弊害があった。
この企画で感じるのは韓国のソックリ具合の酷さではなく、日本のお菓子のクオリティの高さだ。その高すぎるレベルを模倣しようとしても決してたどり着くことができない。オリジナルだからこそ、長年愛されたからこそ遂げた深化もある。ある日、そのアイデアを奪おうとしてもできないのだ。
ハイレベルなお菓子を食べられる国に生まれて良かった。そして世界に自慢したい。そう感じた企画であった。
しかし、韓国のお菓子でもおいしいものはあるはず。今度は比較なしに美味しい韓国のお菓子を見つけることをしてみたい。
(Jタウンネット編集部 大山雄也)