トマト嫌いでも箸が止まらない! 埼玉の新名物「白岡トマルーめん」
トマトの名を冠しながらも
「白岡トマルーめん」を提供しているのは埼玉県白岡市の「食彩市場 和楽」だ。
街の玄関口であるJR宇都宮線の白岡駅からは徒歩20分、東北新幹線の高架の近くに位置している。
記者が訪れたのは土曜日の14時。昼時を避けて取材したのだが、店にはかなりのお客さんが入っており、舌鼓を打っていた。
入り口にはギャル曽根さん、ボビー・オロゴンさんといった著名人のサインが飾られている。実はこの店、「白岡トマルーめん」のほかにも「トマトラーメン」や大食いチャレンジ料理が有名で、番組のロケが何度か来ている「名店」なのだ。
席はソファー、カウンターのほかに座敷も用意されている。
キッチンとの距離も近いが、度を越した騒々しさはなく、どこの席に座っても家庭的な雰囲気でリラックスできる。
「白岡トマルーめん」を早速注文。せっかく取材に来ては見たものの、筆者は大の「トマト」嫌い。ケチャップなどの加工品を例外にトマトの実の形が残っているものが今でも苦手だ。そんな私でも食べることができるのか。
そうこう考えているうちに料理が登場した。
到着して驚いたのはそのボリュームだ。少なくとも10cmはある高さ、そして手のひらがすっぽりと入ってしまう大きさの皿で提供される。
ボリュームに呆気を取られているとトマトの甘い香りが誘ってくる。しかし、その甘さも濃厚でけだるさを感じるものではなく、さっぱりとしており、野菜や海鮮から漂う香ばしさとのバランスが良い。
数ある具の種類の中から、まず野菜と餡を絡めて食した。口に入れた瞬間、筆者は途轍もない違和感を抱いた。メインのため、自己主張が激しいと予測していたトマトの味があまり強くない。あくまで餡の中の酸味とさっぱり味わいを補助しているだけで、最も強く感じたのは具材である野菜の濃厚な甘みであった。
餡だけをすくって舐めてみたが、具の味が強すぎるのではなく、味付けが濃くないのだ。ほかの具材も食べてみたが、具材によって出てくる味が異なっている。エビ、ホタテの海鮮類では食感や塩味も加わり、同じ料理を食べているとは思えない。登場する味の手数がそのまま具の数に反映されており、ボリュームの多さに反して飽きが全く来ない。
とはいえ、具と餡が多すぎて肝心の麺に手を付けるのが遅くなってしまった。バリ麺の特徴である張りがある食感が台無しになってしまっているのではないか。しかし、食べてみると、こわばった食感がしっかりと残っていた。
数分もの間、餡の下に眠っていたにも関わらず食感が残っている。客の食べ進めるペースを考えて元々かなり堅く揚げているのではないか。そう思い餡がついていない部分をかじってみたが、同じ食感だった。
食べ終わってみると、食べる前の予想を裏切られたことへの快感に浸り、味が口の中にほのかに残る程度で後味も心地よい。
しかし、トマトなのに主張が強くない、餡に埋もれても食感の変わらない麺と疑問も残った。
そこで店長の和賀正義さんに「白岡トマルーめん」についてインタビューを行った。