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台風21号で「神戸空港」に注目 関空からの「救出作戦」で、関西三空港の在り方にも波紋を与えるか

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2018.09.05 16:00
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近畿を中心に日本各地で猛威を振るった台風21号。なかでもショッキングだったのは、高潮で浸水し、連絡橋にタンカーが衝突して孤立した関西国際空港(以下、関空)の被害である。一時は陸地から完全に孤立してしまった関空では、空港職員や飛行機の乗客約3000人が取り残されたまま夜を明かす事態になった。

一夜明けた2018年9月5日、鉄道・道路が遮断され食料も尽きかけていたという空港島から最初に人々を運んだのは、神戸空港への高速船だった。早朝6時から、関空→神戸空港の片道輸送で航行を開始。この映画さながらの「救出作戦」が反響を呼んでいる。

神戸空港からの「救出作戦」

地元の人々から神戸空港へのエールや、関西空港から移動できた利用客の安心の声がツイッターなどに上がっている。

高速船が孤立した人々を救出(松岡明芳さん撮影、Wikimedia Commonsより)
高速船が孤立した人々を救出(松岡明芳さん撮影、Wikimedia Commonsより)

神戸空港と関空を結ぶこの高速船は、普段は「神戸―関空ベイ・シャトル」の路線名で所要時間約30分にて運航している。通常ダイヤでは約60~90分間隔のところを、今回は15~20分間隔での運航とのことで、総力を挙げて船を走らせている。神戸空港は地図で見ると関西空港のほぼ真北にあり、この近さがメリットとして大きく発揮された形だ。

神戸空港と関空を地図のように海路で行き来する(Googlemapより)
神戸空港と関空を地図のように海路で行き来する(Googlemapより)

国際化を求める声も

神戸空港は2006年2月16日に開港。関空、大阪国際空港(伊丹空港)とともに関西エアポート株式会社が運営する。開業までには関空、伊丹との距離の近さから、必要性を疑問視されたこともあったが、2017年には初めて年間利用者数が300万人を突破し、発着枠も一杯となっている。十分に機能を発揮しているといえそうだが、現状は伊丹とともに国内線専用の空港。国際化を視野に入れて建設された空港とはいえ、関空の代替として早期に国際線を受け入れることは現実的に困難である。

ネット上には、関空の台風被害を受けて、

「国際線を関空に集中させた弊害」
「神戸をもっと積極活用すべき」

と、神戸空港の国際化を求める声もあり、台風21号は関西三空港の運用の在り方にも波紋をもたらしているようだ。

神戸市中心部へのアクセスの良さも神戸空港のメリットだが...(Mass Ave 975さん撮影、Wikimedia Commonsより)
神戸市中心部へのアクセスの良さも神戸空港のメリットだが...(Mass Ave 975さん撮影、Wikimedia Commonsより)

一方、連絡橋の方も9月5日午前8時過ぎ、タンカー衝突の被害を受けなかった車線を利用して緊急車両に限って通行を再開。空港と南海泉佐野駅をシャトルバスで連絡して大阪府側に移動できるようになったほか、空港島内への物資の輸送も始まった。

各社報道によれば、神戸空港と伊丹空港は被害軽微で、5日午前の時点で、すでに通常通りの運航が始まっている。関空については「復旧時期は全くの未定」だが、空港へのアクセスについてはこの神戸―関空の高速船の増発も検討していると報じられている。神戸空港からのアシストが、台風からの復旧への頼もしい足掛かりになりそうだ。

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