「看板建築」がいまでも神保町にあるらしいので行ってみた
筆者もズブの素人なので「看板建築」かどうかの見極めが難しい
江戸東京たてもの園のリストによれば、確認したのは大体1990年代とのことで、いまからもう20年以上前になるとか。改築やリフォームなどで変わっている可能性もあるが、何はともあれ見に行かねば何もわかるまい。
さて、降り立ったは東京都千代田区、神田神保町。多くの古本屋があることで知られる地域だ。白山通りと靖国通りが交差する「神保町」交差点近くにある、「廣文館(こうぶんかん)書店」が、「看板建築」にあたるという。
近くに寄ってみると、白レンガの建物の表面に確かに金属板が。横から見るとかなり平らではあるものの、屋根の形状は確認できない。また、間口が狭い、奥行きがある、という条件はいまいちそぐわず、比較的横に広い形状になっている。
また少し歩いていくと、再び書店に出会った。
2つの店舗を見てみると、いずれも間口は狭く、奥行きがある。どちらも平面ながら、屋根の形状の確認は(高すぎて)できなかった。ほか、村山書店は青い金属板、大久保書店はしっくい・モルタルのような素材が表面を覆っており、装飾らしい装飾もない。屋根の形状は前に示した「廣文館書店」と同じく、出桁造になっていないのも特徴だ。少なくとも伝統的な商店の形状ではないことがうかがえる。
「看板建築展」を見に行ったことをいいことに実際にさがしてみよう、と思ったが、いざ探してみると見極めるのもなかなか難しい。ただ何より、こんな風に普段何気なく通っていた道にも実は「看板建築」の建物があったりするというのが筆者としては大きな驚きである。
いつもの何でもない街が少しだけ変わる――そんなきっかけが「看板建築」にはあるのかもしれない。皆さんも、ふと足を止めて街の商店を眺めてみては。