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「日本のエーゲ海」2か所もあった! 本場と「牛窓」「白崎海岸」を比べてみると...

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2018.04.22 11:00
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国内の観光地や景勝地を、国外の地域や都市に例える表現――例えば「日本のパリ」「日本のグランドキャニオン」(これらは記者が適当に思いついた例だが)といった呼び名やキャッチコピーを、見かけたことがないだろうか。最近だと、兵庫県朝来市和田山町にある「竹田城跡」が、「日本のマチュピチュ」と呼ばれていた。

こうした場所は全国に存在しており、各地に世界各国の地名や呼び名が存在する不思議な状況になっている。そのひとつが「エーゲ海」だ。

しかも、岡山県瀬戸内市牛窓町(うしまどちょう)周辺と和歌山県日高郡由良町(ゆらちょう)の白崎海岸、2か所にエーゲ海があるのだ。

多島海で日差しが強くてオリーブとか育てている

あらかじめ断っておくと、エーゲ海はギリシャとトルコに挟まれた多島海(たとうかい)で、日本列島に位置していないことは記者もわかっている。今回取り上げたいのは、あくまでも「日本のエーゲ海」だ。

一個人がどこかの海を眺めて「エーゲ海みたいだなあ」と思った、というレベルではなく、地域としてPRをしていたり、観光情報のキャッチコピーとして「日本のエーゲ海」とされている地域を対象としている。

これらの条件から探してみると、「日本のエーゲ海」として浮かび上がってくるのが岡山県の牛窓町周辺と、和歌山県由良町にある白崎海岸なのだ。両地域を見る前に、エーゲ海の特徴についてギリシャ政府が設置している研究機関、「FOUNDATION OF THE HELLENIC WORLD」のサイトを見てみよう。

「大小2500以上の島が存在する多島海」
「地中海性気候で夏季は乾燥し日差しが強く、降雨は冬季に少量」
「大理石が産出し、土壌は石灰岩」
「農業より牧畜が盛んだが、オリーブなど例外的に大規模栽培される農作物もある」
「エーゲ文明をはじめとする古代の遺跡が多い」

などが挙げられている。CMなどでよく登場する、白い壁と青い屋根の建物が並ぶ海沿いの街の風景は、エーゲ海のサントリーニ島やミコノス島だ。

瀬戸内市が開催しているマラソン大会は「日本のエーゲ海マラソン」。牛窓への移住プロジェクトでは、「『日本のエーゲ海」瀬戸内市牛窓町に定住しませんか」と呼びかけていた。

実際、地理的なエーゲ海感はかなりあるように思えなくもない。島の多い瀬戸内海に面し、瀬戸内海気候で降雨量が少なく、オリーブの栽培が盛ん(瀬戸内市と海を挟んで向かいには小豆島が位置している)なのだ。

こうした要因から、「日本のエーゲ海」となったのか、Jタウンネットが瀬戸内市に取材をしたところ、担当者は次のように答えてくれた。

「バブル期以前に、ギリシャ大使館の関係者が牛窓にあるオリーブ園を訪れたそうです。瀬戸内海の島々が一望できる場所で、『故郷のエーゲ海の景色に似ている』とコメントしたことがきっかけだったようです」
瀬戸内海 (Seto Inland Sea)
瀬戸内海 (Seto Inland Sea)

「個人的には、エーゲ海に似ているというよりは、日本ではないような珍しい雰囲気の海岸というニュアンスで、『日本のエーゲ海』だと考えています。観光協会のポスターでも、海岸をバックに『ここは日本?』というキャッチコピーを配し、異国情緒をアピールしており、エーゲ海に限らず外国のような風景として楽しんでいただきたいですね」
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