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「たいやき」かぶった全身タイツ集団 「しゃちほこボーイズ」とは何者か

松葉 純一

松葉 純一

2018.04.15 11:00
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「しゃちほこボーイズさんからお電話です」

時間に追われながら、ニュース原稿をまとめている編集部内に、突然響き渡った「しゃちほこボーイズ」の名......。爆笑が起こる。初めて聞いた人にとってはかなり強烈だったようだ。編集部の雰囲気はすっかり和んでしまった。

「しゃちほこボーイズ」っていったい何だろう? 興味津々といった様子の熱い視線を受けながら、取材を申し込んだJタウンネット編集部員は電話に出た。すると......。

「誰でもしゃちほこボーイズになれます。女性も...」

名古屋の街にでた「しゃちほこボーイズ」(画像提供:しゃちほこボーイズ)
名古屋の街にでた「しゃちほこボーイズ」(画像提供:しゃちほこボーイズ)

電話の先は、「しゃちほこボーイズ」の創始者である池田元希さんだった。

「しゃちほこボーイズ」は、名古屋を中心に活動する、謎の金色タイツ集団である。頭には、たい焼きのかぶり物をしている。この派手なコスチュームで名古屋の街に飛び出したのが、2012年。今では300人を超えるメンバーがいるという。

「この格好で名古屋の街をウロウロしていると、意外にもてるんですよ。コスプレパーティなどでは、どんなコスプレよりも人気があります。女の子から声をかけられ、一緒に写真を撮って欲しいと言われます。写真撮影待ちの行列ができることも......」と池田さん。

「友人に頼まれて、パーティやイベント、ライブなどに出ていると、名古屋ではけっこう知られるようになってきました。2016年には東海エリアで超有名な宅配ピザチェーン『アオキーズピザ』のテレビCMにも出演しました」。昨年は、その際に制作した曲『セカイ=キセキ』でCDデビューも果たしたという。動画はYouTubeでも閲覧できる。

しゃちほこボーイズ/セカイ=キセキ【MUSIC VIDEO】short.ver

「メンバーになるには、市販の約5000円の金色タイツとたい焼きのかぶり物を買うだけです。来る者は拒まず、誰でもしゃちほこボーイズになれます。女性も大勢いますが、彼女たちも『しゃちほこボーイズ』です。イベントなどには自由参加が原則で、とくに規則もありません」

「温泉地でイベントなどに出演した際には、飲食や遊戯施設で出演料よりも多額の出費をすることも......。しゃちほこボーイズには利益を上げようという意識はほとんどないのが現状です。ビジネスというより、ボランティア、クラブ活動、親睦会の方が近いでしょうか」と池田さんは語る。このゆる~い活動が、しゃちほこボーイズの特色のようだ。ノルマとか忖度とは、まったく無縁な集団だ。

「しゃちほこボーイズですが、何か?」(画像提供:しゃちほこボーイズ)
「しゃちほこボーイズですが、何か?」(画像提供:しゃちほこボーイズ)

池田さんは勤めていた広告代理店を脱サラし、2012年、名古屋の繁華街「錦3丁目」で、しゃちほこボーイズによる飲食店「しゃちほこ屋」を経営している。金色タイツを着た店員が接客する、名古屋飯の居酒屋だ。しゃちほこボーイズに会いたい人は、この店でいつでも会える。

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