「70歳代を高齢者と言わない」神奈川県大和市が宣言 そこに込められた意図は...
14年には「60歳代を高齢と言わない」宣言
一般的に「高齢者」は65歳以上とされているが、そうした年代の人に前向きに考えてもらおうと、大和市は14年4月に「60歳代を高齢と言わない」宣言をした。当時、市には「元気づけられた」、「共感をもらった」という声が寄せられたという。
しかしその後も、環境は変わりつつある。17年1月、日本老年学会・日本老年医学会が「高齢者」の定義を75歳以上とすることを提言。また、国も「人生100年時代」を見据えていることなどを受けて、今回70歳代も新たに「高齢者と言わない」ことにした。
宣言は、あくまで広報や刊行物などで、70代を「高齢者」と認識や表現しないというもの。法的条例で定められておらず、年金の支払いなどにも影響はしないとしている。また、マスコミや一般市民に対し「(70代を)高齢者と呼ばないで」と呼びかけるものではないという。
しかしツイッターでは、「働いて税を納めろ、ということなのか」、「席を譲らなくていいという意味なのか」という批判や疑問の声が噴出している。これについては、
「あくまでも年齢を高齢者として規定せず、その年代の人々が前向きに生活してほしいという思いなので、決してそういう意味ではございません」
としている。
担当者は「今回の宣言で、70歳代の市民がこれまでに培ってきた能力や知識を生かしていこうと前向きに考えてくれれば」と願いを込めた。