徳島県三好市のPR動画「酒蔵の三姉妹」　ドキュメンタリー風に仕上げた監督に話を聞いてみた

池田高校の監督の孫が映画監督に

今回の「酒蔵の三姉妹」の監督を務めるのは蔦哲一朗（つた・てついちろう）さん。祖父はなんと池田高校野球部を夏春連覇に導いた蔦文也監督だ。

蔦哲一朗さんに2018年4月11日、Jタウンネット編集部が取材したところ、

「三好市の方からお声掛けをいただいて、地元への若者の移住などをPRしたり、応援したりするために撮影しました。また、三芳菊の3姉妹が四国の酒まつりの前に手伝いをしていることを知っていたので、個人的に撮ってみたいと思ったのもありました」

と、動画制作の経緯を語る。東京の人から「行ってみたい」と言われるなど、反響も上々だという。

「もちろん前もって構成はあるのですが、ドキュメンタリー的な映像になっていることから、シナリオのある普通の映画とは異なります。撮ってみてから『移住』をPRできていないように思えたので、動画内に出てくる『ハレとケ珈琲』の方の映像を入れたり、構成を変えたりしなくてはならない点は苦労しました」

と、撮影時を振り返る。

蔦さんは「酒蔵の三姉妹」以前にも、三好市の祖谷（いや）を舞台にした「祖谷物語　－おくのひと－」（2013年）を撮影するなど、三好市に根ざした作品を撮影していることで知られる。祖谷は日本三大秘境の1つで、日本の原風景が残る場所として知られ、海外の旅行客からも注目を集めている場所だと蔦さんは語る。そのうえで、

「映画監督としていい作品を作ることはもちろんですが、それ以外にも地元でスポットライトを当てられる人を撮って、地元の応援が出来ればと思います」

と、今後についても含みを持たせた。

三好市は、2007年に県内の他の地域に先立ち、「移住交流支援センター」を設置。移住促進の取り組みをいち早く推進してきたことから、17年には徳島県内で最も移住者の多い自治体となっている。

16年には「三好市生涯活躍のまちづくり基本計画」を定め、移住者の呼び込みを強化しているほか、「三好市移住コーディネーター」という移住者と地域をつなぐ役割の人も募集するなどしている。