大きさ21cmの存在感！沼津に「シーラカンス型パンケーキ」登場 オーナーは筋金入りのダイバー
古代魚のシーラカンスをかたどった大きなパンケーキを出すカフェが静岡県沼津市内の内浦湾沿いに出店し、話題になっている。
ぱっくり口を開けた大きな古代魚が、黄色い目をして悠々と泳いでいる――。パンケーキは、こんな様子で焼き上げられていた。
大きさが、たい焼きの2倍
「しーらかんすCafe」が2018年3月11日、パンケーキの写真をツイッターにアップすると、そのユニークさで大きな反響を呼んだ。
ユニークなパンケーキ（以下、しーらかんすCafe提供）
「これはいわゆるシーラカンス型たい焼きなのかな？」
「大きさと中身が気になりますw すごく食べたいけど、もったいない(笑)」
「これは食べたい！ というか、むしろ焼き型が欲しい！！！」
「今ひとつ繁盛していないたい焼き屋さんも、パンケーキという看板にすればワンチャンある？」
ツイートには、20日夕現在で、3万件以上も「いいね」が付いている。
パンケーキは、大きさが約21センチと、たい焼きの2倍ぐらいある。黄色い目をしたのは、バナナ＆ブラウンシュガー380円（税抜）。ほかに、赤い目にした桜エビ＆まろやかチーズ470円（同）もあり、全部で2種類だ。
実は、このカフェのオーナーは、静岡県清水町内でダイビングショップ「コーラルウェイ」を経営する人物だった。
ダイバーの仕事を始めて27年になるといい、これまでに8000本以上も潜ったという実績を持つ。主に、ダイビングスポットとして有名な伊豆・大瀬崎（おせざき）を拠点にスクールを開いているそうだ。
なぜダイビングショップをしながら、パンケーキの店を開いたのだろうか。
オーナーの矢島伸浩（のぶひろ）さんは3月19日、Jタウンネットの取材にこう説明した。
夢は、シーラカンスと一緒に泳ぐこと
「何度も潜るうちに、シーラカンスと一緒に泳ぎたいと思うようになりました。もともとパンケーキが大好きで、自分でも作っており、お店を開くことにしました。シーラカンスのパンケーキを売り出すことによって、海の魅力も伝えたいと思っています」
オーナーの矢島伸浩さん
「生きた化石」シーラカンスについては、フランスの海洋生物学者ローラン・バレスタさんが2013年、南アフリカで水深100メートル余り潜り、その姿を撮影することに成功している。
「シーラカンスは、時間帯によって、洞窟などの浅いところに出てきています。それも、南アフリカやインドネシア、コモロ諸島などに限られます。その姿を捉えるには、テクニカルダイビングという特殊な技術が必要になります。日本人でシーラカンスを生で見た人はいませんので、ぜひ夢を実現したいですね」
パンケーキを作るに当たっては、沼津港深海水族館に足を運んでシーラカンスの標本を見るなどして研究し、富山県高岡市内で鋳物を鋳造している北辰工業所に依頼して銀色の焼き台を製作してもらった。
その焼き台を使って初出店したのが、2017年12月23日だ。人気アニメ「ラブライブ！サンシャイン!!」の聖地にちなんで行われたイベント「キャンドルナイトin三津浜」に合わせたもので、このときは内浦漁協駐車場にテントを張った。2月3日は、伊豆・三津（みと）シーパラダイス寄りのセブン-イレブン前に場所を変えて、テント内で不定期にパンケーキの販売を始めた。
ところが、強風で火が消えるなどしたため、3月10日からコンテナを設置してカフェを開いた。週末の土日を中心に営業しており、ツイート写真の効果で、3月17、18日は、前の週より客が倍増したそうだ。
次回は、祝日の21日の予定で、まだ場所は分からないが、将来は定期的に店を開けるようにしたいとしている。
「バナナ味は、甘みがあって、トロッとしたおいしさがあるとお客さまが言って下さいました。桜エビ味は、チーズとエビのしょっぱさが甘い生地にふんわりと相まって、リピーターが多いですね。ラブライブのキャラ『ルビィ』のぬいぐるみが店内にあるのは、水族館でシーラカンスのぬいぐるみを抱っこしているアニメを見たからです」