ロッカーを開けて、牡蠣をゲット! 兵庫県の「活カキ自販機」が生まれた理由
兵庫県たつの市内の国道沿いに、変わった自販機があると、ツイッター上に写真が投稿されて関心を集めている。
「活カキ自動販売機」。国道250号線沿いを車で走っていくと、こう書かれた大きな看板が見える。
ジュースの裏には、冷蔵BOXのカギが付いていた
!駐車場の中にあるカーポートの下には、コーヒーなどが販売中の自販機があり、その右横に小さなボックスが集まったロッカーが2つ並んでいた。
この自販機の写真が2018年2月17日ごろにツイッター上にアップされると、そのユニークなアイデアが大きな話題になった。「ロッカーを開けた瞬間、磯の香りが」「カギでカキを手に入れるのか」「ジュース付きいうのいいね~w」などと次々に書き込まれている。
ところで、この自販機で、どうやってカキを販売するのだろうか。
自販機に近づくと、缶ジュースのディスプレーの下に、貼り紙だけのディスプレーがある。貼り紙の1つには、こう書かれていた。
「ジュースの裏にカギが付いています 隣の冷蔵BOXから取り出して下さい」
ディスプレーには、「MIXサイズ 2kg 1500円」などと別の貼り紙もかかっている。自販機にお金を入れ、必要なサイズや重量の殻付きカキを選んで、貼り紙下のボタンを押す。
すると、まずジュースがランダムに出てくる。その裏に付いているカギを手に入れれば、それでロッカーを開けてカキを取り出す仕組みだ。使用後のカギは、ロッカー下の返却BOXに入れてもらうようになっていた。
缶ジュースだけ別にほしくても、コーヒーなどの下のボタンを押せば、100円で買える。寒い時期だけに、すべてホット飲料だった。
「営業時間外でも、新鮮なカキが買えるように」
自販機を設置している鮮魚店「牡蠣(かき)屋」のオーナー、栄藤(えとう)綾子さんは2月20日、Jタウンネットの取材に対し、理由をこう話した。
「カーポートの下でカキの店頭販売をしていますが、営業時間までに来られないお客さまがいます。そこで、24時間いつでも新鮮なカキが買えるようにと、昨年の4月から自販機販売を始めました。また、店頭販売は、暖かくなるとカキが日に当たって弱ってしまいますので3月いっぱいで終了しますが、冷蔵BOXなら、それ以降も販売できることもありますね」
カキの販売は、11月ごろから始めるが、自販機では、5月のゴールデンウィークごろまで販売できるそうだ。
自販機のカキは、朝に返却BOXからカギを回収し、夕方にそのカギのロッカーに補充する形を取っている。ただ、カキの販売は、店頭の方が多く、自販機で売れるのは1割にも満たないという。
店では、室津港で水揚げされた新鮮なカキを扱っている。ほかの産地では、育つのに2、3年かかるが、室津では、ミネラル豊富な海で育つため、1年で丸々と大きくなるそうだ。