巷に流行る「マンホールカード」 名前は聞いたことあるけど...そもそも、これってなに?
「下水道のイメージ改善と観光促進になる」
マンホールカードとは、各自治体に実在するマンホールのふたの写真と、場所、ふたのデザインの由来などを記したカードで、各自治体の下水道処理場、観光案内所などで無料配布されている。例えば、サンリオピューロランドのある東京都多摩市では、ハロー・キティが描かれたふたがカードになっている。
2016年4月に静岡県富士市などで30種類の配布を開始。以降、4か月に1度のペースで毎回40~50種類が新たに配布されている。2018年1月現在、252自治体に、293種類あり、17日現在で配布140万枚を突破するなど、巷で流行っているカードだ。
国土交通省主導の下、下水道への理解を深めてもらうために活動するGKPと、各自治体が共同開発している。
マンホールカードはなぜ配布されているのか。GKPプロジェクトリーダーの山田秀人さん(42)は、
「下水道のイメージを高めるとともに、観光PRにつなげるため」
と話す。
一般的に、下水道のイメージは「汚い」などのように悪く、そもそも世間の関心も薄い。そこで収集できるカードを開発し、下水道に対し「良い」イメージを楽しみながら興味を持ってもらいたい、との理由から始まった。
また、マンホールは各自治体により、ふたのデザインが異なる。隣の市町村に行けば、自分が暮らす市町村とは異なるマンホールのふたがある。日本には約1700もの自治体があり、そのぶんだけのデザインが存在している。
だが、マンホールカードは1自治体につき1つだけ、とは限らない。1市町村につき複数種類のマンホールカードがあれば、カードをもらいたい人は様々な場所へと足を運ぶ。カードには、マンホールが置かれている緯度・経度が書かれている。これをスマートフォンの地図などに入力すると場所が表示され、写真と同じ場所に行くことができる。
それがやがてはその地域を知るきっかけともなり、観光促進につながるのだという。
実際、観光にも寄与している。もらいに行く人の約6割が、県外から訪れているのだそうだ。
山田さんは「マンホールカードは観光を動かすものだと思う」と強調し、マンホールカードが持つ観光効果を期待した。
配布は1人1枚までで、配布場所の詳細はGKP公式サイトに掲載されている。