【Jタウン動画大賞】自虐賞・埼玉県川口市/「ほぼ東京」を自称する
2017年は、それぞれの地方が工夫を凝らした「ご当地動画」が熱い1年だった。しかし、毎月、多くの動画がアップロードされる中、大きな注目を集めるのはその一部で、このまま埋もれてしまうのはあまりにももったいない......。
そこで、2017年の間に公開されたご当地PR動画の数々を振り返り、「これぞ」と思う作品を改めて紹介。2018年の引っ越し先や旅行先選びに役立つかは分からないが、ユニークな動画を取り上げた「Jタウン動画大賞」を勝手に開催する。

いやよ!埼玉なんて!
移住促進のPR動画というと、やはり長所、良いところ、特産品や自然を全面に押し出すのがスタンダード。
そんな中、地味な絵面、自虐に片足を突っ込んだような控えめなアピールという戦略を取る自治体もある。例えば埼玉県川口市だ。
アニメ仕立ての川口市のPR動画「お願い住んで 川口市」は、
「川口ぃ?何県?」
「埼玉ぁ?いやよ!埼玉なんて!」
と全否定するところから始まり、
「ほぼ東京」
「東京駅まで23分」
「治安だっていうほど悪くない」
など、非常に控えめなアピールを始めるというもの。最初に出てくる長所が東京への物理的距離というあたりに哀愁が漂うが、万人にアピールできる点を冷静に選んでいるとも取れる。
その後、商業施設も緑も充実している、保育園も増えているなどの強みも付け加えるものの、控えめなのには変わりない。なにより動画タイトルが「お願い 住んで 川口市」と懇願しているのもポイントが高い。よってここに、「自虐賞」を勝手に与えることにする。