黒いキタキツネ発見で、なぜか「BABYMETAL」を連想する人続出
自然変異したか、カナダ産の遺伝子残っていた可能性
何かを警戒するかのように、林の中の舗装道路の上に立って左の方向をじっと見る。すると、1秒も経たないうちに体を完全に左に向け、さらに、逃げるように右にくるっと向きを変えた後、そのまま走り去って行った。後は、強い風の音が聞こえるばかりだ。
黒いキタキツネを映した16秒の映像は、斜里町立知床博物館がユーチューブ上で2017年10月2日に投稿した。
発見のきっかけは、偶然だった。博物館がエゾタヌキの生息を調べようと、9月23日に町内に無人の自動カメラを設置したところ、15時ごろに体長1メートル余りの黒いキタキツネが映っていた。
博物館によるフェイスブック上の説明によると、黒色が混じったキタキツネは見たことはあるが、全身真っ黒は初めてで、最初は犬かと思ったそうだ。
博物館の村上隆広学芸員は10月5日、Jタウンネットの取材に対し、黒くなった理由についてこんな見方を示した。
「1つは、大正から昭和にかけて、毛皮を採るためにカナダから取り寄せて養っていた黒いキツネの遺伝子が残っていて、それが変わり種として出て来た可能性です。多くときは19か所で養っていたと聞いていますが、その一部が逃げ出して野生化し、もともといたキタキツネと交配して遺伝子が残されていたというわけです。もう1つは、もともとキツネは体の色にいろいろなバリエーションがあり、その中で、頻度はかなり低いものの、自然変異で黒い個体が出て来た可能性があります。もちろん、突然変異の可能性はゼロではありません」