「ケーキみたいだ」「萌える」 小田急線の車窓から見える、クッキリ地層はどんな成り立ち?
「色が変わるため、保存は難しい」
笠間友博さんによると、最上層の茶色い土は、関東ローム層に当たり、できた年代から新しい順に「立川・武蔵野ローム層」ではないかとみられる。富士山や箱根の山の噴火による火山灰などが積もってできたものだ。茶色い土の最上部はいわゆる黒土の黒ボク土になっている。植物が腐って分解し炭素が付着して黒くなったが、長い年月をかけて黒が消えてゆき、茶色い土になる。
上から2番目のベージュ色の土は、関東ローム層でも最も古い「多摩ローム層」ではないかとみられる。多摩ローム層の軽石層のほか、火山灰層があり、茶色よりも白っぽくなった。最上層との境目に黄色い筋が通っており、これは箱根の山が噴火してできた軽石層ではないかと言う。
3番目のグレーの部分は、川から運ばれた砂や泥が海の中で堆積した上総(かずさ)層群の可能性があるそうだ。鉄分が酸素に触れずに還元されると、鮮やかなグレーの色彩が現れる。
一番下の層は、同じ砂や泥の層だが、地下水の作用を受けて酸化され、黄色っぽくなったのではないかとしている。
今回の地層について、笠間さんは、こう解説する。
「ベージュ色の軽石層は、あまり見たことがなく、最下層が黄色っぽくなっているのも珍しいですね。色の変化が面白いと思います」
5段階の5が一番珍しいとすれば、4ぐらいに当たるという。露出した地層をそのまま放置すればグレーの層が酸化されて黄色っぽくなってしまうため、保存するのは難しいとしている。