珍しい「逆立ち狛犬」 なぜ金沢に多いの?
明治中期から昭和初期にかけて作られた
逆立ちをしている狛犬は、全国的には珍しいのですが、石川県内には金沢、松任、野々市に集中しています。石川県が紹介する「美しい石川を歩くウォーキングコース」には、加賀逆立ち狛犬巡りというコースもあるのです。
石浦神社の巫女さんは、神仏の世界では雲をけるのは縁起の良いこととされており、雲を蹴っているのではないか? と話されていました。
石材店の方は、昔は今のような機械彫りではなく手彫りで、比較的軟らかい凝灰石を使っていたので、削りやすくいろいろな形に細工でき、遊び心で作ったのでは? と話されていました。
県内にある神社1883のうち、1100以上を回った、狛犬マニアの元藤さんによると、県内には114の逆立ちした狛犬がいるそうです。それも、明治中期から昭和初期にかけて、作られたものだそうです。
元藤さんは、114の狛犬を系統別に9つに分類しました。いかつい顔付きで顔中に渦がある金沢系、流れるような毛並みでおどけた表情、鼻ヒゲがある松任系など。その元藤さんの仮説は、逆立ち狛犬はブームだったのかもしれませんが、加賀鳶の威勢のよさと心意気を狛犬に乗せたのでは? ということです。
確かに加賀鳶も狛犬も火から守るという役割を果たしています。どの理由も最もらしいですね。(ライター:りえ160)