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「埼玉県民なら皆知ってる」って本当? ブラタモリで紹介の「大宮台地」

野口 博之

野口 博之

2017.07.04 06:00
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「埼玉県の小学生はみんな習います」。ある地理上の名前について、NHKの旅行番組「ブラタモリ」で、地元の人たちがこのような証言をしたことが話題だ。どこまで本当か――ツイッターなどで盛り上がっている。

その名前とは、「大宮台地」という、さいたま市大宮区を中心に位置する地形のことだ。ネットでは、県民から「小学生の時に習った」「初めて聞いた」との両方の反応が出ている。そこでJタウンネットは、埼玉県とさいたま市の教育委員会に話を聞いてみた。

タモリさんは「初めて聞きました」

2017年7月1日夜放送の「ブラタモリ」は、大宮特集を組み、大宮の歴史を研究して30年という大東文化大の宮瀧交二教授(歴史学)が、この台地のことを紹介した。しかし、大宮には用事で来たことはないという司会のタモリさん(71)は、「初めて聞きました」と率直に打ち明けた。

すると、宮瀧教授は、タモリさんの告白に深くうなずいたうえで、「埼玉の人は皆さん、知っていると思うんですけど」と事情を話した。大宮台地の縁に位置する氷川神社の東角井真臣・権宮司も、番組に出演しており、埼玉の小学生なら習ったことがあるとしたうえで、「私も小学校のときに習いました」と明かした。

大宮台地とは、富士山などの噴火で火山灰が降り積もってできた関東ローム層から成っている。ローム層の特徴として地盤が固く、地震などの防災上も有利だとされている。埼玉県内を南北約40キロにわたって広がっており、大宮の中心街は、台地の縁に出来た場所ということになる。雨水が台地に浸透して縁からしみ出ることから、周辺では湧き水も豊富のようだ。

左上が大宮台地(VSA-itama-1710さん作成、Wikimedia Commonsから)
左上が大宮台地(VSA-itama-1710さん作成、Wikimedia Commonsから)

固い地盤のローム層(Tigran Mitr amさん撮影、Wikimedia Commonsから)
固い地盤のローム層(Tigran Mitr amさん撮影、Wikimedia Commonsから)

「ガチで習う」「覚えがない」と賛否が分かれる

こんなありがたい大宮台地だが、埼玉県民なら小学校で習うなどして皆知っているということには、ツイッター上で賛否が分かれている。地元の人とみられるツイート主のうち、賛成の意見は――

一方、ツイート主からは、否定的な声も次々に出ている。

そこでJタウンネットは、埼玉県教委の義務教育指導課に7月3日に話を聞いてみると、こんな説明だった。

「小学校3、4年で、地域についての学習をしますが、郷土資料の副教材や補助教材で大宮台地のことを学習していることは考えられます。しかし、県内すべての学校で教えているかというと、それは把握していません。県民なら皆、大宮台地を知っているかについても、よく分からないですね」

さいたま市なら小学校で学習しているのだろうか。市教委の指導1課では、このような話が聞けた。

「3、4年時の地域の学習で、江戸時代に水田を開発したことを教えるときに、台地の地形に沿って用水を引いたことは出て来ます。しかし、大宮台地という名前については教えていません。16年以上前の旧大宮市の時代には、社会科の副読本を使って、大宮台地のことを教えていた可能性はあります。そして、さいたま市になってエリアが広がり、バランスよく市内の地形を学ぶようになって、教えなくなったのでしょうね」

小学校のときに習ったと言う人は、旧大宮市のときに学んだのかもしれない。とはいえ、色々とありがたい存在なだけに、埼玉の人なら多くの人が知っていてもおかしくはないようだ。

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