耐荷重80キロの「女性の意見から生まれた台車」 どんな意見を参考にしたのか、メーカーに聞いてみた
実際に聞いてみたところ...
すごく特定の用途の女性の意見から生まれた商品の気がする...... pic.twitter.com/ixSmfkAnds
— ペキンさん (@pekindaq) 2017年5月7日
日常生活において、数10kgもの荷物を運搬することを想定して動く機会は少ない。あるとしたら運送業、土建業、製造業、自衛隊や消防士くらいだろう。
にもかかわらずこの台車は、女性の意見から生まれたという売り文句ながら、80kgの耐荷重性能を持つという。
軽くて持ち運びに便利、というのは男女問わず嬉しい要素だが、想定されている「お買い物やレジャー、ゴミ出しに」という状況からする、80kgまで耐えられるというのは、大は小を兼ねるとは言え少々オーバースペックといえなくもない。
通常だと80kg分の品を購入することはまずないし、それだけの荷物を運びながらレジャーというのも一般的ではない。80kg近いゴミなどはもはや産業廃棄物だ。工場くらいでしかお目にかかれないだろう。しかし、これだけの頑強さを必要とする「お買いもの」かつ「レジャー」と呼べるものが1つある。
それがコミケなどの同人誌即売会だ。複数の段ボール箱を積み上げて運んでいるイメージ画像がついていることから、台車の用途をコミケと想像する人が多く、ツイートには、
@pekindaq 夏が近い、活躍する日は近い...
— みなとさん (@mimatokanade) 2017年5月7日
@pekindaq 同人誌やってる女...。
— ぽーりーん (@tsuruchan2438) 2017年5月7日
@pekindaq 80kg ってすごいな 5箱いけるな
— 佐原一光 (@YcEB5ElCPvFibDJ) 2017年5月7日
@pekindaq これは...印刷前の紙で考えても(A4用紙500枚×5冊)×4箱(参考重量:ASKULコピーペーパーA4、1箱21kg)運べる訳ですね...用途多そうですね。
— ESPANA||▽・)つ)) (@ESPANAeqKahN) 2017年5月9日
レジャー(同人即売会)
— らぅら (@_suna_37) 2017年5月7日
などの反応が集まった。
実際の開発背景について山善に尋ねところ、それまで主流だった台車は、主に男性が購入する400mm×600mmサイズだったため、女性が購入しやすいものを作るため、社内の女性から意見を募ったのだという。そうして寄せられた4つのポイントを中心に女性向けに調整したのが、「Carryおてがる」だという回答があった。
1つ目はサイズダウンで、灯油18リットル缶がぴったり積める390mm×440mmを採用したという。次に、家庭用では不要という観点から、耐荷重を100kgから80kgまでにし、車輪の音を抑制するため、2つの後輪だけでキャリーケースの様に運べる機能を搭載(特許取得済み)。カラーリングも豊富にすることで、現在の「Carryおてがる」が完成したという。なお同人誌関連の「意見」があったかについては、残念ながら回答を得られなかった。
オーバースペック気味に思えた耐荷重80kgという性能も、基準が100kgだったと知ると、大げさなものではないだろう。
80kgまで積み込む機会はそうなさそうだが、余裕を持ったスペックで安心して使用できるようにという気遣いなのかもしれない。