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愛知にある貴重な「瓶チェリオ自販機」が、故障により撤去へ... 失われつつある昭和の思い出

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2017.04.30 11:00
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acac(@aichiron15)さんのツイートより
acac(@aichiron15)さんのツイートより

昭和の面影がまた1つ失われようとしている。

「瓶チェリオ自販機は修理の目処が立たないそうです...」

ツイッターで2017年4月22日、こんな書き込みがあった。

「瓶自販機」は何台現存しているのか、チェリオ中部に聞いてみた

投稿者のacacさんがいう「瓶チェリオ自販機」は、写真の自動販売機を指している。貼り紙で見えないが、清涼飲料メーカーのチェリオコーポレーションが販売する炭酸飲料「チェリオ」の「リターナブル瓶」(296ミリ)がその下に隠れている。愛知県名古屋市にある「森吉商店」の店頭で撮られたものだ。

チェリオのリターナブル瓶はかつて、自動販売機と店頭で売られており、1975~85年頃まで、駄菓子屋で子どもたちに人気の飲み物だった。ペットボトルや缶の飲料が増え続けた結果、ほとんど見られない代物となってしまった。

インターネット上では今や、昭和を語り継ぐ貴重なアイテムとして認知されている。Jタウンネット編集部がチェリオ中部の広報担当に、「瓶チェリオ自販機」が何台現存しているかをたずねると、「お客様の情報なので、お教えすることは致しかねます」と返答があった。そのため正確な数は分からないが、ネット上では「あと1台」などと臆測が入り乱れている。

そんな「瓶チェリオ自販機」の修理の目途が立たなくなっている――Jタウンネット編集部は4月27日、森吉商店に電話で話を聞いてみた。

「8月まで機械だけ置いておきます」

森吉商店のご主人に取材すると、自販機が故障しているというツイートの情報に間違いはなかった。

「壊れてしまったから、中で(瓶を)冷やしているのですよ」

写真のように、自販機には「チェリオのじゅうすは店内にあります」と貼り紙をしているのだという。

店主は、故障の原因は自販機内の部品にあると言う。「代えの部品がないから、どうすることもできません」と話し、

「8月まで機械だけ置いておきますが、それも撤去します」

と打ち明けた。

「瓶チェリオ」の種類は、グレープ、アップル、オレンジの3つで、値段は1本90円だ。

記者が「あと(『瓶チェリオ自販機』は)ここだけかもしれない」と話すと、店主に「ネットで2台しかない、と見ましたよ」と返された。きっと本人もこの自販機が希少であると認識しているのだろう。

「私ら80過ぎているから(詳しいことは)分かりませんわ」と言いながらも、丁寧に取材に答えてくれた店主は、

「もうすぐゴールデンウィークですから、全国からたくさん人が来てくれると思います」

と最後まで前向きに語っていた。

昭和の思い出が消えると思うとさびしくなるが、まだ時間はある。近隣の読者はぜひ、8月までに訪れてみるといいだろう。

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