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化女沼レジャーランドの「廃墟テーマパーク」化が、東北復興の起爆剤に? 購入目指す人物を直撃

城戸 譲

城戸 譲

2017.01.17 06:00
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宮城県大崎市に、廃墟マニアに有名な遊園地がある。「化女沼(けじょぬま)レジャーランド」。2000年に閉園されたが、いまなお当時の設備を残したまま、静かに眠っている。Jタウンネットでは16年9月、この廃墟の買い手探しに、「廃墟マニア」が協力していると報じた。

当時の遊具が残る化女沼レジャーランド(以下、クラウドファンディングの告知ページより)
当時の遊具が残る化女沼レジャーランド(以下、クラウドファンディングの告知ページより)

それから4か月、その地を「日本唯一の廃墟テーマパーク」として再建しようと、クラウドファンディング(CF)がスタートした。各種ニュースサイトで報じられたが、より詳しい話を聞きたいと思った編集部員は、CF起案者である「夢と希望溢れる國ジパング」代表の赤羽翔鶴さんに取材した。

「東北にリゾート施設を」の一心でスタート

もともと赤羽さんは、東日本大震災を機に「東北にリゾート施設を建設する」という夢を持っていた。その思いを実現できる土地を探していた16年9月、テレビの情報番組で化女沼レジャーランドを知る。その後、オーナーの後藤孝幸さんと実際に会い、打ち合わせを重ね、日本唯一となる「廃墟テーマパーク」を目指すCFを始めた。

いまも廃墟マニアを「歓迎」している入場ゲート
いまも廃墟マニアを「歓迎」している入場ゲート

「東北の復興の一助となり、東北の方々に笑顔が溢れることを願って立ち上げた事業です。廃墟やレジャー施設を楽しみにされる個人の方はもちろん、東北の事業主の方々にはぜひとも参入して頂き、東北の一大施設となるようにご協力を頂きたいと思っています。至らぬところばかりですが、皆さんにぜひお力添えを頂けたらありがたいです」
往時のチラシ
往時のチラシ

宿泊施設もあった
宿泊施設もあった

CFの目標金額は1億2000万円。17年1月16日現在、1口6000円から支援でき、入園券や年間パスポート、企業向けの土地リース権や、各エリアの命名権などがリターン(返礼品)に設定されているが、もし目標金額に届かない場合には、パトロン(出資希望者)からお金を集めない。つまり不成立となってしまう。

もし不成立になったら...

もしCFが不成立になったら、化女沼レジャーランドは、どうなるのか。実は、赤羽さんは「買い手」候補のひとり。交渉の窓口は、9月の記事時点から変わらず、当時取材に対応してもらった「TEAM酷道・廃墟」のよごれんさんが務めている。そこで、よごれんさんにも話を聞いてみた。

「赤羽さんに買ってもらえるとベストですが、今のところ先が見えない状況ですので、これまでに折衝してきた企業様とも交渉は続けていますし、新規の買い手も探している状況です」
よごれんさんを中心に「見学会」も行われた
よごれんさんを中心に「見学会」も行われた

では具体的に、どんな購入希望者がいるのか。日本経済新聞(1月14日夕刊)には、こう書かれていた。

「既に商社や不動産会社などから引き合いがあり、用途は太陽光発電施設やレジャー施設などさまざま」

よごれんさんは、化女沼レジャーランドや、オーナーの後藤さんへの「ご恩返し」のために窓口役を担っている。そのため仮にCFが成立しても、その後の開発や運営にはかかわらないと思う、とのことだった。しかし、有力な買い手の不在や、「廃墟を活かすプラン」への共感もあり、CFには可能な範囲で協力するという。

「画期的な日本初の廃墟レジャー施設を目指して、赤羽さんも人生賭けています。何とか一人でも多くの方に、少しだけでもご協力いただければと願っています」

閉園後に掘った「温泉」

廃墟だけでなく、「このままだと温泉がもったいない」という、よごれんさん。実は敷地内には、閉園後に掘削された温泉があるのだ。

「私も屋外吹きさらしの状態で入浴しましたが、本当にいい温泉です。温泉マニアも太鼓判を押す、東北随一、日本でも屈指の良泉を廃墟とともに失くしてしまうのは、非常にもったいない話です。単なる廃墟マニアではありますが、なんとか有効活用できないものかと思っています」
噴出する源泉
噴出する源泉

赤羽さんの計画では、温泉を立ち上げるとともに、「過去」「現在」「未来」「廃墟」の4地域に分けたレジャー施設を開発する。朽ち果てた遊具そのままに「廃墟テーマパーク」を作ろうという野望は、果たして実現するのだろうか。

おおまかなエリア区分予定
おおまかなエリア区分予定

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