餅をのどに詰まらせた! どうする? 応急手当ての方法、東京消防庁に聞きました
毎年報じられる正月のおめでたくないニュースといえば、「餅をのどに詰まらせて救急搬送」というもの。東京消防庁によると、2011年から2015年までの5年間に、餅などをのどに詰まらせて562人が救急搬送されている。特に65歳以上の高齢者の事故が多く、約9割を占めている。
傷病者に呼びかけて反応がある場合、咳をすることが可能であれば、できる限り咳をさせる。咳もできずに窒息しているときは、年齢・性別に関係なく背部叩打法(はいぶこうだほう)を行う。
実施手順は簡単。
1.傷病者が立っているか座っている場合は、やや後方から片手で傷病者の胸もしくは下あごを支えて、うつむかせる
(傷病者が倒れている場合は、傷病者を手前に引き起こして横向きにし、自分の足で傷病者の胸を支え、片手で傷病者の顔を支える)
2.もう片方の手のひらの付け根で、傷病者の肩甲骨と肩甲骨の間を強く4~5回、迅速に叩く
3.回数にとらわれず、異物が取れるか、反応がなくなるまで続ける
呼びかけに反応がない場合または反応がなくなった場合は、直ちに心肺蘇生を開始すること、としている。
ほかにも異物を除去する方法として「ハイムリック法」が知られるが、東京消防庁報道係の方によると
「腹部を圧迫して負担をかけるため妊婦などには向かない」
という。人の命を左右する応急手当は一瞬ためらわれるかもしれないが、
「背部叩打法は誰でも簡単にできるので、応急手当ての方法として周知を進めている」
とのことだった。
備えあれば憂いなし。いざという時に備えて、頭に入れておこう。