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ホームドア設置で、「人身事故」は完全になくなるか?

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2016.07.20 06:00
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近年設置が進められている、鉄道駅の「ホームドア」。転落防止のために導入されているのだが、設置駅でもごくまれに人身事故が発生する。たとえば元住吉駅(東急目黒線)では、2016年6月20日に死亡事故が発生。「自らホームから線路に飛び降りたとみられる」(毎日新聞)と報じられている。

試運転
試運転

また、東急目黒線不動前駅では16年1月26日、ホームドア設置駅にもかかわらず、接触事故が発生した。真偽は不明だが、ツイッターでは「ホームドアに寄りかかってた人が急行電車と接触して線路に投げ出されたっぽい」との投稿も流れた。

不動前駅ホーム(LERKさん撮影、Wikimedia Commonsより)
不動前駅ホーム(LERKさん撮影、Wikimedia Commonsより)

このほか、ツイッターで「ホームドア あるのに」と検索すると、設置駅でもよく線路内人立入りが起きているとわかる。荷物の落下もあるようで、なぜか「ロールパンが落ちてる」というツイートも。なにがあったのだろうか。

ホーム事故のうち、酔客原因は6割

内閣府の「平成28年版交通安全白書」によると、ホーム事故(ホームから転落、もしくはホームで列車と接触して起きた死傷事故)は、2015年に215件(前年比2.3%減)発生していて、そのうち死者は30人(前年比14.3%減)。なおホーム事故のうち、酔っ払いによるものは61.9%(同白書)を占める。

ホームドア設置駅にしぼった事故統計は、いまのところ発表されていない。あくまで参考でしかないが、2006年からの10年で設置駅は倍増(318駅→665駅、いずれも年度末時点)しているにもかかわらず、ホーム事故は06年(157件)から10年(222件)まで右肩上がり。それ以降も200~220あたりで、ほぼ横ばいとなっている。

「ながら歩き」を注意するポスター(Karl Baronさん撮影、Flickrより)
Walking while smartphoning/gaming/listening to music is dangerous!

とはいえ白書では「ホームドアは非常に効果が高い」とされているので、あくまで参考の数値でしかなさそうだ。

「視覚障害者等を始めとしたすべての駅利用者のホームからの転落を防止するための設備としてホームドア(可動式ホーム柵含む。)は非常に効果が高く,その整備を推進している」(白書より)
山手線恵比寿駅のホームドア(goldarrow7さん撮影、Flickrより)
恵比寿駅ホームドア

政府は「交通政策基本計画」(15年2月閣議決定)で、東京五輪が行われる20年度までに、ホームドアを800駅へ設置する目標を定めた。JR東日本は16年4月までに、山手線23駅にホームドアを整備し、今後は京浜東北線への導入も予定。私鉄各社でも導入が進められているホームドアの「効果」に期待したい。

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