かつては中島飛行機の研究所...ICU本館に「取り壊し」問題、学生から反対運動も
第二次世界大戦では中島飛行機の研究所として使われ、戦後は国際基督教大学(以下ICU)の本館として長い間親しまれている「本館」が取り壊されるかもしれない、というツイートが多数リツイートされ、波紋を呼んでいる。
【ICU本館取り壊しへ】あれは戦時中の中島飛行機の研究所本館なのだ。屋上に機銃の土台が付いているのだ。秘密の地下壕があるのだ。ニューヨークを爆撃する富嶽の設計をやっていたのだ。第一級の戦争遺跡なのだ。あの学校の人には価値が判らんのだ pic.twitter.com/K3k9q7uKFn
— 高木壮太 (@TakagiSota) 2016年2月18日
反対署名が1000を超える
歴史的価値も高く、大学が創設された時から使われている建物だけに、実際に取り壊されるとなるとショックを受ける人も多そうだ。
大学が公式サイト上で発表した2020年までの計画表では、2018年から2020年の間に本館を整備する、という旨が記載されているのみで、実際に取り壊されるかは未だ不明だ。
ICU在学の20代女性に話を伺ったところ、
「本館に関しては、以前から耐震強度の面での不安があるから取り壊す、いや歴史的に意義がある建物だから保存したい、という噂が飛び交っていました。
近年になって、理事会が主体となってキャンパス変革に動いているようで、それに関して、生徒からも様々な意見が出ました」
と、以前からの取り壊し話の噂の存在について語った。
更に詳しく話を聞くと、今ICUの学生の間ではとある反対運動が行われているという。
「本館前のばか山が無くなるかもしれない、という話が持ち上がってからは、ネットでも反対の署名運動が始まりました」
ICU生が言うばか山とは、本館前にある丘の通称だ。食事や昼寝が出来る学生たちの交流の場で、晴れた日には授業が行われるなど、「ICUらしさ」が詰まっている場所だという。
署名運動のページによると、大学が発表した新キャンパス案のイメージでは、ばか山が残ったとしてもその周辺の環境が激変するため、これまでのような自由さが失われる可能性が高いと指摘している。
2016年2月26日時点で1000人を超える署名が集まっている。