「おせち」の苦手な料理、2位「数の子」や3位「田作り」より不人気だったのはアレ【お正月の自由研究】
新しい年を迎え、あらたまった気分でいただくおせち料理は、やはり格別だ。料理の一つ一つには、五穀豊穣、無病息災、子孫繁栄など、それぞれ願いが込められている。ありがたく、美味しくいただきたいが......。
普段食べ慣れないメニューが多いこともあって、中にはちょっと箸が進まないものもないではない。貴重な食材だとは知ってはいても、伝統的な調理法と聞いてはいるのだが、......やっぱりムリ、という人もいるようだ。
そこで、「おせちの中で苦手なものは?」という質問で、Jタウン研究所は都道府県別にアンケート調査を行った(総投票数608票、2015年12月1日~12月21日)。
はたして、その結果は――。
もっとも苦手な人が多かったのは......
「おせちの中で苦手なものは?」という、問いかけに対しての結果が、下のリストだ。
第1位は紅白なます、18.6%だった。ごく細く切ったダイコンとニンジンを甘酢で漬け、ユズの皮で香りをつけたもの。細切りのダイコンとニンジンを、祝い事に用いる紅白の水引に見立てている。日持ちを良くするため、思いっきり酢に漬けているので、かなり酸っぱい。そこが不人気の原因のようだ。紅白なますを苦手とする人は全国に及び、地域的な偏りはなかった。
一方、第2位は数の子、14%である。数の子は、ニシンの卵を汁に漬け込んだもの。卵の数が多いところから、子孫繁栄を願うもの、と言われている。歯応え、食感が一種独特で、敬遠する人がいる。数の子が苦手な人は、石川、福井といった北陸地方、熊本、鹿児島など九州地方、山口県に多かった。また長野や埼玉でも目立った。
第3位は田作り、13.2%だ。ゴマメとも呼び、イワシの幼魚の佃煮である。イワシを田の肥料としたこともあり、「田作り」と呼ばれるようになった。五穀豊穣を祈願し、調理される。田作りが苦手な人は、大阪、奈良など近畿地方に多かった。
第4位は伊達巻、12.7%である。伊達巻は、白身魚のすり身に溶き卵と出汁を加えて混ぜ、みりんや砂糖で調味して焼き上げる。お正月ならではのぜいたくな品だが、なぜか苦手とする人は多い。福島、千葉、三重、滋賀、鳥取などで、目立った。
以上がワースト4で、全体の3分の2弱を占める。5位に「その他」が入っているが、苦手なものの種類がそれだけ多いということだろう。
おせち料理は基本、保存食で、日持ちのするものが多い。お正月の期間中は、火を使う煮炊き作業を避けるため、また女性を家事から解放するためとも言われる。酸っぱかったり、甘すぎたり、味が濃すぎる傾向も多少ある。好き嫌いがはっきり出ても、仕方のないことかもしれない。