「湘南はどこからどこまで?」意識調査で真の「範囲」が明らかに!
湘南は相模湾の神奈川県エリアを指すが、その範囲については諸説あってはっきりしない。
終わりの見えない神学論争ともいうべきこのテーマに、神奈川県が一石を投じたのは2014年秋のこと。ご当地の海の魅力を世界に向けて発信するプロジェクト「かながわシープロジェクト Feel SHONAN」で、次のように宣言したのだ。
「『湘南』と聞いて、どんなイメージを持ちますか?サーフィン?ヨット?海水浴? ていうか『湘南』ってどこ?湯河原から三浦までの相模湾沿岸を『湘南』と呼びます!」
2014年10月7日にJタウンネットがこの話題を取り上げたところ(参照:長年の論争「『湘南』はどこからどこまでか」問題についに終止符が打たれる!)、各方面から様々な反響があった。寄せられた意見は三者三様で、県のメッセージで湘南の範囲論争が収束するどころか、混迷を深めた感がある。なお、先述の宣言を盛り込んだFeel SHONANトップページは別の文言に差し替えられている。
記事の最後にアンケート「湘南の範囲はどこまでだと思いますか?」を設けたところ、約1年の投票期間中、全国から8882票の投票が寄せられた。
日本で暮らす人たちは、どこからどこまでを湘南だと思っているのだろうか。
湘南の本丸は「藤沢と茅ヶ崎」で決まり!
選択肢は全部で10項目。9番目の「旧湘南村のみ」は、相模原市緑区に1955年まで存在した自治体のことだ(参照:「湘南小学校」が海岸ではなく相模原の山奥にある意外な理由 幻の「湘南村」とは...)。
各選択肢の行政区域と得票率をまとめたのが下の図だ。一番得票率が高かったのは「茅ヶ崎~葉山」で34.4%。次いで多かったのは「大磯~葉山」で26.4%だった、大磯には湘南発祥之碑があるのに――。
湘南人を自認する相模川西岸住民の歯ぎしりが聞こえてきそうだが、むしろ「西湘」(せいしょう)に分類されるべきということか。ちなみに西湘の中心都市は小田原といわれる。
かながわシープロジェクト案は支持者5%以下
「湘南市構想エリア」の得票率は10%に満たなかった。湘南市が実現すれば人口は80万人を超え、神奈川県で4番目の政令指定都市入りも夢ではない。しかし、合併から10年が経過しても浦和vs大宮の紛争が続くさいたま市の現状を見れば、現状のままがベターなのだろう。
また、かながわシープロジェクトで県が唱えた「湯河原から三浦まで」はたった4.5%しか支持されなかった。長い時間をかければ県民、いや日本人の意識も変わるかもしれないが、「湯河原や真鶴はさすがに無理がある」という声はツイッターを中心に根強い。
自治体ごとに得票率をカウントした結果は?
少し見方を変えて、投票結果を星取表の形式にまとめた。一番下の行の「湘南指数」は編集部考案の数値で、該当する自治体の合計得票率を示す。この値が高いほど、全国から「湘南にふさわしい地域」と思われているというわけだ。
湘南指数が高いのは茅ヶ崎・藤沢で90%を超えた。これに対して大磯・平塚は50%に達していない。
「湘南に括られるよりも独自のハイソ路線を歩みたい」「湘南は田舎っぽいイメージがある」――そんな声も挙がる鎌倉、逗子、葉山の3自治体。しかし湘南指数を見てみると、大磯・平塚を上回る66.3%もあった。
60%を及第点とするならば、茅ヶ崎・藤沢・鎌倉・逗子・葉山――以上の5自治体が湘南の称号にふさわしい。
最後に。茅ヶ崎の北隣に位置する寒川について、「茅ヶ崎・藤沢」のグループに含めるべきか迷ったが、相模湾に直接面していない点を重視し、今回のアンケート結果では項目を分けた。