今なら中古の千葉モノレールが「35万円」で買える! ただし送料は...
千葉市には世界に誇る乗り物がある。けんすい型モノレールとして営業距離世界最長を誇る「千葉都市モノレール」(通称「千葉モノレール」)だ。
開通時に投入された車両は、1987年から三菱重工業が製造を開始した「1000系」。ピーク時は40両が在籍したが、徐々に「0系」に置き換えられている。
2015年10月17日、「ちばモノレール祭り」の会場となった萩台車両基地には、今年8月に営業を終了した1000系2両が仮置きされていた。
多くの来場者の関心を惹いたのは、カラーコーンに貼られた1枚のパネルだ。「現金販売価格35万円」と書かれている。
鉄道ファン向けのイベントで、不要となった備品を販売するケースはよく見るけれど、まさか鉄道車両が売りに出されているとは――。消費税込なのが妙に生々しい。
千葉モノレールまつり♪モノレール販売してるんだ!! pic.twitter.com/ir1aSZ6GIS
— あみ (@kisekinoha) 2015, 10月 17
本体価格よりも輸送費がかかる
モノレール会社の広報担当者によると、祭りの開催に合わせてパネルを設置したという。
「興味半分・シャレ半分でパネルを設置しました。『引退した車両の一部は、こんな形で引き取られているケースもあるんですよ』と説明するためです。当日は約3000人が来場しましたが、今のところ買い取り希望者はいらっしゃいません」
譲渡先が見つからなければ解体となることが、別のパネルに告知されている。
廃車になった千葉都市モノレール 1000形1次車は現在3箇所で展示・店舗として活用されています。販売中の第6編成は35万円で購入されなければ解体の運命だそうです。 pic.twitter.com/a8lLR648JY
— ayapex (@ayapex) 2015, 10月 17
今年の末までに処分する方針だそうで、興味のある方はそれまでに連絡してほしいとのこと。
「解体するよりお譲りした方が弊社としても助かります。ただし、運搬費などはすべて購入者持ちで、本体の35万円よりはるかに高額です」
「最初の所有者としての責任が弊社にはあります。譲渡後の用途などをうかがってからになります」
輸送費が約100万円からで、ラフタークレーン代が1カ所約10万円。さらに設置場所によって整地の必要がある。軽い気持ちで手を出せる品物ではないのは確かだ。
どんぶり屋の店舗になった引退車両も
住宅として使うには適当ではないが、飲食店舗としてはマニア受けしそう。実際、2014年9月に静岡県焼津市で開業したどんぶり屋「番番亭」は、先に廃車された1000系2両を店舗として再活用している。
凄いトンカツ屋さんきた((((;゚Д゚)))))))!!!!電車!!!!コレ電車!!!!つり革!!!!運転席!
は い れ る!!!!
うおー!!!!押しちゃいけないボタン押して良いですか!?コレ!押して良い?!ね!?ねぇ!? pic.twitter.com/soQhn6y1Ny
— 蘭晶=零(ランキチ)@ケモ兄 (@rankiti) 2015, 1月 9
このほか「那珂川清流鉄道保存会」が4両、ファームリゾート鶏卵牧場「いすみポッポの丘」が2両を買い取り、それぞれ保存している。
鉄道車両の平均寿命は20~30年程度といわれる。こまめなメンテナンスで寿命を延ばすことは可能だが、保守や更新に費用をかけるくらいだったら、新技術を取り入れた新車両を導入した方がよいという考えもあり、大手ほどそのサイクルは早まる傾向にある。
経年劣化が激しくない通常の車両なら、地方私鉄や海外で再活躍することもできるだろう。しかし、特殊仕様のけんすい型モノレールは相当難しい。