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記者も走ってきた! 京急「車掌置き去り&1駅ダッシュ」騒動を現地検証する

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2015.10.16 16:37
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実際に走ってみなければ分からなかったこと

スタート地点は駅務室前
スタート地点は駅務室前

北品川駅へ向かう。できるだけ同じ距離とコースでタイムを計測するため、スタート地点は北品川駅の駅務室がある改札前、ゴールは新馬場駅のホームとした。ここを3分以内で走り抜けられるか。

忠実さを持たせるため、服装はシャツ、スラックス、革靴と、車掌の格好に近づける。もちろん体操をする時間の猶予はない。時間帯も、辺りが暗くなった午後6時。

車掌になった気持ちで激走
車掌になった気持ちで激走

走り出す。歩道は広くなく、2人がすれ違える程度だ。所々で工事もしている。対向者がいたら徐行しなければならないが、車掌が走ったのは午前0時12分頃なので人通りは多くなさそう。この狭さは速度上さほど問題にならないだろう。

高架下を走る
高架下を走る

最近はあまり運動していなかった記者だが、意外とスピードが出る。なぜだ。疑問に思ったが、どうやらこの第一京浜道路、北品川駅から新馬場駅に向かって緩やかに下り勾配がついていた。車掌の速さの要因の一つはこれだろう。

「なんだ、下り坂だし大したことはない...」 調子よく風を切っていたが、400メートルほどを過ぎた辺りで突如、疲労がのしかかる。序盤で飛ばし過ぎたのか、息が苦しい。一説によると、700メートル程度の中距離走は瞬発力、スピード維持能力、心肺能力の3つが高レベルで要求される「苛酷な競技」らしい。

車掌はどんな気持ちでこの道を走ったのだろう。件の電車はその日の最終列車だった。疲れた体を電車に委ねる、たくさんの乗客。「車掌は『自分の責任で大勢に迷惑をかけている』という思いだったと聞いている」と広報課は答えていた。第一京浜道路沿いのレンタカー店員は、「走っている車掌はうちでは誰も目撃できなかった」という。一刻も早くと、一心不乱で駆け抜けたのだろう。そんな車掌に思いを馳せると、今走っている記者も「バテたから」という理由で手を抜くわけにはいかなかった。

当初の「対抗心」は徐々に薄れ、車掌の当時の心情や表情が気になってきた。北品川駅で置き去りにされた時、駅務室で指示を受けた時、疾走している時。自責の念や焦燥に、ダッシュによる酸欠が加わって、記者が車掌の立場なら半狂乱に陥ってしまったかもしれない。

目標の「3分」は達成、しかし...
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