「辛い!」ししとう、見分ける方法はあるの? 産地No.1高知県の組合に聞いてみた
軽く炙った「ししとう」に、塩をひとつまみ。
これだけでもう、たまらない酒のアテになる。ほのかな苦みとほどよい辛さに、酒が進むこと進むこと。青々と実ったししとうを一目見るだけで、グイっと冷の日本酒をやりたくなる――。そんな呑兵衛も、少なくないのではないか。
しかし、調子に乗って何房もししとうを食べていると、ときたま「火を噴くほど辛いもの」に当たることがある。あまりの辛さにヒイヒイ言いながら、グラスに残った氷を舐めて......、そんな光景もまたオツなものではあるが、できるならば避けたいところ。
というわけで、Jタウンネット編集部が「激辛ししとう」の見分け方について調べてみた。
ししとうは、ストレスで辛くなる!?
ピーマンやパプリカなどと同種とされるししとうは、豊富なビタミンCを含有しており、美容や健康にも効果が高い野菜として知られる。そのため、酒飲みだけでなく、若い女性や子どもにも積極的に薦められそうだが、やはり「当たり」が大きなネックとなってくる。
そもそも、なぜ同じししとうなのに、極端に辛いものとそうでないものが存在するのだろうか。全国1位のししとう出荷量を誇る、高知県の園芸農業協同組合連合会にこの疑問をぶつけてみると、
「ししとうは、乾燥した天候や水分不足などによってストレスを受けると辛くなります。そもそも、青唐辛子の辛み成分を抜いて、食べやすく品種改良したものがししとうになります。なので、極端なストレスを受けると、青唐辛子がもともと持っている辛み成分をつくる遺伝子が通常より活発に働いてしまうのです」
という答えが返ってきた。また、何房にいくつが辛くなる......というように、決まった割合が存在するわけでもないらしい。
なるほど、極端に辛いししとうが生まれてしまう理由は分かった。では、それを見分ける方法はあるのだろうか。先ほどの担当者に聞いてみると、「実は、農家の方でも出荷の際に辛そうなものを選り分けているんです」と教えてくれた。
見分け方のポイントとなるのは、
・光沢がないもの
・しわがすくないもの
・ちぢれ気味で、小さいもの
の3つだという。総じて、「不健康そうな」ししとうに辛いものが多いという。
ちなみに、品種改良を進めることで、極端に辛いししとうをゼロにできないか尋ねてみたが、その答えは「高知県としても研究を進めているが、今のところは難しい」というものだった。当分の間は、上記の見分け方を心に留めておく必要がありそうだ。