すっごい斜め! 梶が谷駅前の駐車場が、ピサの斜塔もびっくりの傾きぶり
渋谷と中央林間を結ぶ東急田園都市線は、多摩川を越えるとアップダウンの激しい丘陵地帯に入る。溝の口の1つ先の梶が谷は、多摩田園都市の入口に当たる駅で、沿線の中でも坂の多い場所として知られている。
この駅近くの駐車場が「狂ってると思うほど傾斜がきつい」とツイッターで話題になっている。
いつ見てもこの駐車場は気が狂ってると思う pic.twitter.com/rWZlN4fRxR
— IORI (@IORI_koubou) 2015, 9月 5
現場の画像を見たネットユーザーからは驚きの声が相次いだ。
「なんだこれ...」
「なんでこんな妙なつくりにするのやら...」
「これは駐車場と呼べるのかな 駐斜場だね」
こんなはずはない、撮影時の水平垂直がおかしいだけでは――。そう思ったJタウンネット編集部は、雨の降る川崎市高津区へ向かった。
傾斜があるのは本当だった
梶が谷は、乗降客の少ないこじんまりした駅だ。1カ所しかない改札口を出て右に進み、東急ストアの前を通りすぎて道なりに歩くと、徒歩2分ほどで「梶が谷コインパーキング」に着いた。
......確かに傾いていた。
コインパーキングと書かれているが、月極契約のゾーンもある
別の角度からもパチリ。
駐車場から出てくる中年男性に声をかけた。「停めるの、大変じゃないですか?」と尋ねると、彼は苦笑いしながらこう答えた。
「大変といえば大変だけど、梶が谷はこういう地形だからね。もう慣れちゃっているよ」
隣の駐車場は整地されているのに...なぜ?
不思議だったのは、隣のマンションの敷地にある駐車場は、きちんと整地されていることだ。
駅からすぐの好立地で稼働率は悪くなさそう。30分くらい観察していると、何人もの客が出入りする。
この場所が駐車場になったのは当然としても、なぜこの傾斜に......。謎を解くべく思案していると、駅のホームに隣接して、田園都市線の保安車両の車庫があることに気づいた。
ここからは仮説になるが、保安施設に近づけやすくするため、あえてこのような地形にしたのではないか。
それにしても梶が谷駅周辺は坂が多い。東急ストアの道向かいにある坂は、これまた傾斜がきつい。
階段を下りると目の前にマンションが建っていて、その敷地内の駐車場も起伏がある。
実は梶が谷駅に通過または停車する電車も斜めに傾く。これは上下ともホームが大きく湾曲しているためだ。
都市計画のノウハウに則って敷設された田園都市線は、踏切が一つもないことで知られている。
何もない原野を切り開いて建設したのだから、梶が谷のホームも真っすぐにすればよかったように思えるが、地形の制約上、こうせざるを得なかったのだろう。