広すぎる北海道、2泊3日で主要観光地を巡る方法はあるか?
お盆は過ぎてしまったが、これから遅い夏休みを取る人もいるだろう。
誰もが一度は憧れる北海道。気候はだいぶ涼しくなってしまったが、ピークを過ぎたことを考えれば、逆に狙い目ともいえる。
北海道はとにかく広い。東北と四国を足した面積とほぼ同じだ。ピンポイントの旅行ならともかく、複数のスポットを巡るなら、あらかじめコースを決めておくのに越したことはない。
道庁が2014年にまとめた資料「北海道観光の現況」によると、日帰りまたは1泊2日の旅行者は約10%で、2泊3日が34%、3泊4日が27%、4泊5日が12%、5日以上が16.7%となっている。もっとも多い2泊3日で北海道をこの時期、効率的に巡ろうとしたら、どんなコースがいいのか。地図を見ながら考えてみた。
プランA「札幌~小樽~旭川~富良野」
道内の主な観光地は、北は稚内、東は知床、南は函館と各地に点在している。
LCCが多く乗り入れている新千歳空港を利用した場合、旅の拠点となるのは札幌だろう。時計台や大通公園、北海道大学のポプラ並木、もいわ山ロープウェイ山頂展望台など、見どころがあちこちにある。
札幌近郊の観光地といえば、約40キロ離れたかつての商都・小樽だ。小樽運河や堺町通り、北のウォール街などがある。半日もあれば札幌から帰ってこられる。
強行スケジュールとなるが、小樽観光はさっと済ませて余市に行くのもありだ。NHK朝ドラ「マッサン」の舞台となった、ニッカウヰスキーの工場がある。
問題は2日目以降。旭山動物園がある旭川に行くか、それとも道南の函館を目指すか。
旭川へ行くなら旭山動物園はマスト。札幌から旭川はJR特急が便利で、所要時間は約90分。旭川駅から動物園までは結構距離があり、路線バスで40分ほどかかる。動物園の見学は3~4時間を見ておきたい。
市内の新しい観光名所は、「アナと雪の女王の城にそっくり!」と話題になった「雪の美術館」だ。中世ヨーロッパのお城のような外観で、建物内は雪の結晶をイメージしている。冬の北海道を体感できる「氷の回廊」は地下にある。所要時間は2時間程度見ておこう。2日目は旭川で宿を探す。
3日目はドラマ「北の国から」で有名な富良野へ行ってみよう。ラベンダーで有名な「ファーム富田」や、「北の国から」の「五郎の石の家」「拾って来た家」、ドラマ「優しい時間」の「珈琲 森の時計」などがある。
このまま新千歳空港に直行し、売店で土産物を買って、飛行機に乗って本州に戻る。プランAの総移動距離は480キロくらいだろうか。
もう少しゆったりしたスケジュールを希望するなら、1日目の小樽や、3日目のファーム富田は外しても構わない。小樽運河の散策は好みが分かれるし、ファーム富田のラベンダーは見頃を過ぎている。8月中旬から10月中旬にかけてはコスモスのシーズンだ。
プランB「札幌~小樽~登別~函館」
先述のプランAは、新千歳空港が起点・終点となるため、旅の範囲は道央に限られる。函館を起点にすれば、道南から道央を巡ることができる。
函館空港から市内までは約8キロと比較的近い。エキゾチックな街並みの函館は、カトリックやロシア正教の教会、赤レンガの倉庫街、五稜郭などがある。宿は市内のホテルか、空港近くの温泉街・湯の川がいいだろう。
2日目の一発目は函館朝市の見学。それが終わったら、カルデラ湖としては日本で3番の大きい洞爺湖へ向かおう。JRの特急利用で函館~洞爺は約90分、洞爺駅~洞爺湖温泉はバスで約20分で行ける。
有珠山山頂から見た景色は絶景で、2008年のG8サミットが開かれたザ・ウィンザーホテル洞爺リゾート&スパも近い。
2日目はここで宿泊してもいいが、温泉のデパートと称せられる登別が50キロほどの距離にある。地獄谷や閻魔堂、クマ牧場などがあるほか、8月29・30日は「登別地獄まつり」が開催される。
最終日は札幌観光を楽しみたい。登別から札幌市内までは高速バス利用で約2時間。ゆっくりと観光する余裕はそれほどないかもしれないが、札幌市時計台や北海道庁旧本庁舎、さっぽろテレビ塔などは徒歩で行ける。
旅の終点は札幌から50キロ離れた新千歳空港。日中は15分間隔で運行しており、夜遅くまで走っているのがうれしい。プランBの総移動距離は約430キロ。
2つのプランを紹介したが、すでに行ったことのある人も多い、札幌市内はスルーする手もある。お土産は空港売店でほとんど揃うし、空港自体が1つのグルメスポットだ。国内線ターミナルビル4Fには「アニメイト」まである。
アニメイト千歳空港店気合入りすぎ pic.twitter.com/15VaUZt6ox
— えむこ (@ersteliebe) 2014, 9月 14