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「最後のスタバ空白県」鳥取が、コーヒー界の「黒船」の初本格進出地に選ばれた理由

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2015.07.25 11:00
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人口が58万人しかおらず、流行の店が遅れてやってくる鳥取。全国唯一のスタバ未出店県として有名だったが、2015年5月に県内1号店が鳥取市内で営業を開始し、晴れてスタバもスナバもある県となった。

自虐ともとれるアピール以来、鳥取は世界中の注目を浴びるようになった――かどうかは不明だが、オーストラリア発のコーヒーチェーン「MuzzBuzz」(マズバズ)が今年9月、鳥取砂丘前に日本で2番目の店舗を出店する。

ドライブスルー型のオーストラリア店舗(イメージ)

ドライブスルー型のオーストラリア店舗(イメージ)

マズバズは2004年に西海岸パースで誕生した。ドライブスルー型コーヒーチェーンとして、オーストラリアとニュージーランドに約80店舗を展開している。
日本の1号店はイオンレイクタウン内に今年3月開店したが、屋内店舗でドライブスルーではない。ドライブスルー型としては鳥取が初となる。
また食事メニューは日本向けに独自に開発し、今後10年で300店舗展開していく計画だ。

日本2号店がなぜ鳥取に!?

今回のニュースに、トリピーも「マズバズが、スナバへ♪ あなたも、スナバへ♪ マズバスナバへ♪」とノリノリだ。

それにしても......「人口密集地帯から攻略する」という飲食チェーンの常識の逆をマズバズが選んだのはなぜか。

スタバの出店こそ遅れていたものの、家計調査調べのコーヒー購入数量で鳥取は全国トップクラス。コーヒー好きな県民性であることは知られていた。
スタバ鳥取1号店は開店初日に1000人以上が並び、7月に入っても客の入りは好調の様子。「家飲みする人が多く、苦戦するかも」という巷の不安を見事に覆した。

マズバズに話を戻すと、「We are serious about FUN! (真剣に楽しむ!)」をキャッチフレーズに、毎日店舗でイベントを実施している。つまりエンタテインメント要素を加えた「おもてなし」を得意としている。

このあたり、「鳥取にはスタバはないですけれども、日本一のスナバがあります」「鳥取だけに『トリ』をいきますが、スタバが来ても『スナバ県』は永久に不滅ですよ」などの名言を残した平井伸治鳥取県知事のノリに通じるものがある。

県知事、マズバズ進出をダジャレで歓迎

7月22日の読売新聞によると、マズバズジャパン拓也社長と遠田兼人専務が県庁を訪問したところ、知事は「マズバ(まずは)スナバ(砂場)で」「コーヒーで(砂丘の)ユーヒー(夕日)を楽しんで」と得意のダジャレで歓迎した。
鳥取砂丘の海と砂のイメージが、発祥の地・パースと重なることも決め手になったという。

ちなみに、鳥取市の人口は約19万人で人口密度は252人。一方のパースは人口が約153万人で人口密度は289人。街並みも海岸も息を飲むほど美しいが、「イメージが重なる」と評されたことを鳥取の人は誇りに思っていいだろう。

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パースの街並み(Nachoman-auさん撮影、Wikimeida Commonsより)
パース郊外のコテスロービーチ(Greg O'Beirneさん撮影、Wikimedia Commonsより)

パース郊外のコテスロービーチ(Greg O'Beirneさん撮影、Wikimedia Commonsより)

店舗予定地は鳥取砂丘前のドライブイン、砂丘ユニオン駐車場内と発表されている。昭和な雰囲気にあふれる建物だが、今年秋には南半球のコーヒースタイルを体感できる場所になりそうだ。