何が違う? 駅弁には「公式駅弁」と「非公式駅弁」があるらしい
駅弁の表面に注目すると、あるマークが...
売店などで駅弁を買ったとき、表面に「駅弁」マークが印刷されているのに気づいたことはないだろうか。
このマークは駅弁を作る業者で構成される社団法人日本鉄道構内営業中央会が制定したもので、会員が調製している駅弁にこのマークが使われている。北は稚内市から南は宮崎市まで全国の業者が加盟している。焼売(シュウマイ)でおなじもの横浜・崎陽軒も会員だ。
Jタウンネット編集部が購入した「鳥めし弁当」には、製造者:(株)NRE大増と明記してあった。同社の名前も会員名簿に載っている。
ところが、この駅弁マークは全ての駅弁についているわけではない。なぜなら、中央会にすべての調製元が加入しているわけではないからだ。
例えば、東海道新幹線の車内でワゴンサービスを行っているジェイアール東海パッセンジャーズは会員名簿に載っていない。さらに中小の業者でも非加盟のところはある。
2002年頃、中央会の会員数は180以上あった。しかし2014年10月現在、その数は115まで減少している。東京の会員は(株)NRE大増の1業者だけだ。
日本で初めての駅弁は、宇都宮駅説や神戸駅説など諸説ありはっきりしないが、開始時期が明治時代なのは間違いない。いずれも構内営業を許可された民間業者が駅弁を販売したと見られる。
駅弁の仕様については昔から細かな規則があり、米飯を主とし数種類のおかずを加えたものを「普通弁当」(いわゆる幕の内弁当)、それ以外を「特殊弁当」と区別していた。
しかし1987年に国鉄が民営化され、駅構内に大手コンビニが進出し、おにぎりやサンドイッチが普通に売られる時代となった。
構内で売られる駅弁も消費者ニーズに合わせて多様化している。公式・非公式の区別はほとんど意味を失っているといっていい。
余談になるが、鳥めし弁当を購入したとき、応対してくれた女性スタッフに「駅弁に公式と非公式の2種類があるって本当ですか」と尋ねた。
すると彼女は、「えーっ、そうなんですか。はじめて聞きましたよ。私たちはただ売っているなんで」と驚いていた。
交通新聞社発行の大判時刻表を広げると「駅弁マーク」が付いている。これは旧国鉄時代からの名残りといっていいが、このマークを目印に乗客が駅弁を買っていた時代は、もはや遠い過去の話となりつつあるのだろうか。
最後に。くじら弁当の名誉のために書いておくと、わざわざこれを食べに館山にやってくる駅弁マニアがいるくらい、地元の名物となっている。
くじら弁当は館山駅前の駅弁です。30食限定と聞いてましたが、夕方でも注文すれば作ってくれます。駅弁マニアまでいかなくとも、今後はちょっとしたテーマにしていこう。 pic.twitter.com/zUoDXk0EKi
— くまじろー (@yamabadge) 2015, 3月 28
名物駅弁!くじら弁当!@館山駅。乗り換え5分でワザワザ改札まで届けてくれました!ありがとうマリンさん!今度はゆっくりお店に伺います!ちょーうめぇー(´・Д・)」朝飯。 pic.twitter.com/vMlCzW3b73
— 統 (@noritter0827) 2013, 8月 29