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東京タワーの近くの「屋内貸し菜園」で、あなたも野菜を育ててみませんか

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2015.07.18 11:00
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田畑が皆無に等しい東京で、自宅敷地の一部やベランダで家庭菜園を楽しむ人が増えている。栽培と収穫の喜びが得られ、採れたての野菜を食べられるというのが主な理由だが、都会の住宅事情だと実践できる人はそう多くない。

近年注目を集めているのは土を使わない栽培だ。2015年6月にリニューアルオープンした銀座・伊東屋は、水耕栽培で野菜を育てる「FARM」や、そこで採れた食材を使用した「CAFE Stylo」を併設していることで話題となっている。

レンタル水耕菜園「たなばたけ すくすく」(編集部撮影)
レンタル水耕菜園「たなばたけ すくすく」(編集部撮影)

たなばたけ すくすく」(東京都港区)は、都内でも珍しいレンタル水耕菜園だ。JR浜松町駅金杉橋口から徒歩2分のところにある。
運営しているのは鹿島建設のグループ会社・鹿島建物総合管理。ビルの空きフロアーの有効活用の一環として、2014年7月に営業を開始した。

水耕栽培はメリットが多い

交差点に面したビル1階に「すくすく」は入居している。窓から漏れる光は青白く目立っていて、中の様子をガラス越しに観察する通行人もいる。

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玄関ドアに架けられたパネルには「お気軽にお入り下さい」と書いてある。ノックして入室すると、スタッフが「ようこそ」と笑顔で案内してくれた。

菜園の床面積は63.67平米。外から見るよりもこじんまりしている。3段ラック8台と大テーブル、栽培用の道具などが室内に置かれていた。

栽培の流れをまとめたパネルが掲示されている。

すくすく式水耕栽培(鹿島建物総合管理提供)

すくすく式水耕栽培(鹿島建物総合管理提供)

例えば、レタス系だと種まきから収穫まで約30日。自然環境で栽培するよりも生育が早い。
室内なので野菜に害虫がつく不安もない。なにより土を使わないので化学肥料が不要=無農薬栽培なのがうれしい。

野菜の味について、すくすくスタッフは太鼓判を押す。

「低硝酸栽培にも取り組んでいるため、苦み・えぐ味が少なく、小さいお子さんでも非常に食べやすいレタスが収穫できます」

初心者や多忙なビジネスマンも安心のサポート体制

契約者はラックに積まれている貸し出し用ベッドを使用できる。1ベッドあたりのサイズは33センチ×56センチ×12.5センチ。最大で21株の栽培が可能だ。

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奥のスペースでは種から苗を育てている。まるで新生児が睡眠しているかのようだ。芽を出したばかりの植物に生命を感じた。

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栽培トレーに移され、照明の光を浴び、すくすく成長中の野菜たち。狭いスペースに様々な品種が並んでいる。Jタウンネットが訪問したときは、合計で約50種類が栽培中だった。

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ベッドを借りる以上、自らの手できちんと育てたいものだが、野菜を育てた経験のない人でも続けられるのだろうか。また仕事の都合で頻繁に通えないときはどうすればいいのか。

「専任のスタッフが常駐して栽培のサポートを行いますので、栽培未経験のご契約者様でも安心です。お仕事の都合で必要な作業に通えないときは、作業代行も承っております。そのほか、液肥の管理や病気のチェック、温度などの室内環境の管理も行っていますので、無農薬野菜の栽培を、安心安全な管理体制の下で楽しむことができます!」(すくすくスタッフ)
「最近では、低価格で多機能な家庭用水耕栽培キットも販売されており、コスト面や環境面での当店の優位性が無くなりつつある中で、専任スタッフが常駐し、水耕栽培の『ノウハウ』をご契約者様に提供できる部分が、実は当店の強みであると考えます。今のところ収穫まで至らなかったご契約者様は一人もおりません」
「 『美味しかった!』『野菜を好んで食べない家族が、当店で収穫した野菜を完食した!』『部下や同僚たちが収穫を心待ちにしていて、みんなにあげちゃうから結局いつも自分の分がなくなっちゃうんだよ!』といった声を、ご契約者様から頂戴しております」
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「獲れたての無農薬野菜を食べたいけれど、栽培には関心がない」という人もいるだろう。スタッフに全部お任せコースも用意されている。

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取材中、ある女性契約者が実った野菜を引き取りに来た。
女性が一度に食べる量をはるかに超えていたため、食べきれない分は自宅で栽培を続けるという。その具体的方法をスタッフがアドバイスしていた。

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月額基本料金は衝撃の1500円

気になるのが利用料金。高所得者が多く住む港区だけに、それなりの費用を請求されると想像しがちだ。

ところが、1ベッドあたりの月額基本料金はたった1500円(税込)。しかも水光熱費、肥料代、ベッドメンテナンス代込みの値段だ。オープン特別価格とはいえ安すぎる。
このほかに栽培トレー代が1ベッド当たり500円発生する。それでも経費としては微々たるものだろう。
種は契約者の持ち込みとなるが、店舗に用意のある種については無料で提供している。苗については、契約者が持ち込むことも店が提供することもできない決まりになっている。

栽培できる品種は以下の通り。バリエーションは思いのほか豊富だ。

すくすくの資料をもとに編集部作成

すくすくの資料をもとに編集部作成

申し込みの際は、初回のみ2カ月以上の月額基本料金と諸費用を一括前払いしなくてはならない。

いますぐ申込みたい読者もいるだろうが、残念なことにベッドは全て埋まっている。2015年7月15日現在で約1カ月待ちの状態だ。

菜園の拡張または新規出店の予定はないのだろうか。すくすく運営責任者は今後の展開について次のように語る。

「当店は、まだまだ発展途上のお店です。継続して栽培ノウハウを蓄積し、より満足度の高いお店を目指すとともに、今後は、同じ栽培を趣味とするご契約者様同士が交流を楽しんで頂けるようなサロン化も図っていきたいと考えています。新規出店の予定は今のところありませんが、空きテナントの有効活用方法として、よりご活用いただきやすいようにブラッシュアップし、法人企業様向けの営業提案を行って、水耕栽培をより身近に感じていただけるようにしていきたいと考えています」
「当店を利用し、水耕栽培への興味が深まって、ご家庭でも水耕栽培を始められたご契約者様も少なくありません。当店を通じ、植物生産の基本を知り、農業への理解を深めて頂けることに繋がるということは、本事業が社会的にも重要な役割を担っているということを改めて実感することができました」
「全国的に見ても、当店のような業態は少ないのが現状ですが、今後も、都会の貴重な農業体験の場の一つとして、水耕栽培だけでなく農業全般の発展にも寄与できるよう努めたいと思っております」
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