大阪の「タマゴサンド」は、オムレツをはさんだものだって本当？
「タマゴサンド」、と聞いて思い浮かべるのは何だろうか。関東人の筆者は、刻んだゆで卵をマヨネーズであえた、いわゆる「たまごサラダ」をパンで挟んだものがパッと思い浮かぶ。というよりも、それ以外のタマゴサンドを知らない。
しかし、大阪や京都など関西の一部地方では、オムレツのように火を通した卵を挟んだものが一般的な「タマゴサンド」だという噂がある。
「大阪風タマゴサンド」の歴史といま
確かにグーグルの画像検索で「タマゴサンド 大阪」と調べると、オムレツをはさんだものが続々ヒットする。「滋賀」や「京都」、「和歌山」などでも、同じようなタイプの「タマゴサンド」ばかりが出てきた。しかし、関西地方を離れると「たまごサラダ」を使ったものが多くヒットするようになる。
また、投稿型の料理レシピサイトでも「大阪風タマゴサンド」という名で、オムレツやいり卵を使ったものが紹介されている。
このような「大阪風タマゴサンド」の発祥は、どうやら明治時代までさかのぼるらしい。貿易港として外国人が多く逗留していた神戸を中心に、関西地方ではいち早く喫茶店の出店が相次ぎ、独自の「喫茶店文化」を築いたという。その中で提供されていたメニューの1つが、オムレツを挟んだタマゴサンドだった。現在でも、古き良き関西の喫茶店ではこの関西風タマゴサンドが提供されている所が多いようだ。
しかし、実際に関西人へ話を聞いてみると「そんなもの初めて知った」という。兵庫出身の編集部員によると、「タマゴサンドっていえば、ゆで卵とマヨネーズを使ったアレ以外ないやろ？」という。また、2ちゃんねるに立った「大阪のたまごサンドってなんか違うやろ」というスレッドでも、関西人とみられるネットユーザーの反応は以下の通りだ。
「大阪やけど見たことないわ」
「見たことねーよ ちな大阪」
「見たことないけど結構おいしそうやん」
どうやら、現在では関東と同じように「たまごサラダ」を使用したものがタマゴサンドとして定着しているといえそうだ。その理由はコンビニの進出やチェーン喫茶の普及などから、昔ながらの「喫茶店」を訪れる人の数が減ってしまったから、なのかもしれない。