名古屋の喫茶店名物「コーヒーチケット」、その起源は?
[ドデスカ!-名古屋テレビ]2015年6月10日放送の全力リサーチのコーナーで名古屋の喫茶店の謎を調査していました。
中スポが置いていない喫茶店はあるのか?
名古屋の喫茶店でよく目にする光景といえば......、中日スポーツを読むお客さん。なぜそんなに中スポを読むのかと言えば、ドラゴンズの勝敗は生活の一部になっているから。
しかし大抵の喫茶店にはあっても、1部か2部しか置いていないので誰かが読んでいたら読めないという悩みも。
待ってでも読みたいという中スポ、置いていない喫茶店ってあるの?と愛知県喫茶飲食生活衛生同業組合の理事長、舟橋左門さんにお話しを伺いました。
「そんな名古屋の喫茶店で中スポ置いてなかったら、そらおかしいわ」とのことで、翌日開かれる総会におじゃまして、組合員の方にアンケートを取らせていただくことに。
当日参加されていた60人の組合員全員が「置いてある」との回答を受け、名古屋の喫茶店で中日スポーツが置いてないお店は、「多分ない」という結論になりました。
ナゴヤの常識「コーヒーチケット」の秘密
コーヒーチケットとはチケット1枚がコーヒー一杯分となり、10杯分の値段で11杯分のコーヒーが飲めるなどちょっとお得なチケットです。
お得大好き名古屋人、これも独自文化かと調査しました。
実はこのチケット、コーヒーの焙煎メーカーが喫茶店にコーヒー豆を販売する時に、一緒に販売されているそうで、創業106年の老舗焙煎メーカー、大須の「松屋コーヒー」を訪ねてみると、まさかの「覚えていない」とのお答え。
そこで他に心当たりはないかと教えてもらった、こちらも名古屋の老舗焙煎メーカーの「ライオン商会」をお尋ねすると、喫茶店経営のマニュアル本とも言える「喫茶店読本」にコーヒーチケットが回数券として紹介されていることを教えていただきました。
独自文化じゃなかった
「喫茶読本」が出版されたのは昭和31年、日本は高度成長期まっただ中で、喫茶店が続々とオープンした時代です。
当時は地方で一定の成果を上げている販促ツールとして利用されていたようだということがわかりました。
しかも喫茶組合理事長によると、東海三県をはじめ東京や広島、鹿児島県などでコーヒーチケットが確認されており、名古屋独自のものではなかったことも判明。
さらに調査を進めると驚きの事実も発覚しました。
愛知県は1位じゃなかった...
誰もが認める喫茶店王国ナゴヤですが、人口1000人当たりの喫茶店数は愛知県が1位ではありませんでした。
じゃあ岐阜県か?とお思いかもしれませんが、愛知県が1.21軒で3位、岐阜県は1.48軒で2位という結果に。
愛知・岐阜を差し置いて、1.62軒の1位ってどこ?と疑問に思うのも無理はないかもしれません。1位は喫茶店のイメージなど毛頭ない高知県だったのです。
高知県の喫茶組合理事長の篠原重宝さんによれば、高知県には働き者の女性が多く、旦那さんが外で働き、奥さんが喫茶店をやるというパターンが多いのだとか。
しかし高知県の喫茶店はモーニングサービスもコーヒーチケットもあり、憩いの場として朝からお客さんが集まる場所と共通点も多いそうで、篠原理事長はさらに「愛知・岐阜・高知は日本喫茶三大王国」ともおっしゃっていました。
愛知・岐阜の皆さん、高知県の喫茶店でもモーニングをお楽しみいただけるそうですよ!一緒に喫茶三大王国盛り上げていきましょう。(ライター:神谷祐美)