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発起人に聞きました...岩手県はIngressにどう取り組み、そして何を目指すのか

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2015.05.30 11:01
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Google マップとGPSによる位置情報機能を利用したスマホゲーム、Ingress(イングレス)を使った地域振興策は全国の自治体で盛んだ。だが、Ingressと地域振興策の親和性に、いち早く目をつけたのは岩手県だった。

前編(「Ingressが自治体を動かした...先進地帯・岩手県が目指す地域振興=「ゲームノミクス」」)では、2015年5月19日に発足した「岩手県庁ゲームノミクス研究会」の前身となる「岩手県庁Ingress研究会」(以下、Ingress研)のこれまでの取り組みを紹介した。ここからは、その活動の中心を担うゲームノミクス研究会の主宰・保 和衛(たもつ かずえい)さんに伺ったお話を紹介したい。

「ニコニコ超会議3」関連イベントに岩手県代表として出席した際の保さん(14年4月)
「ニコニコ超会議3」関連イベントに岩手県代表として出席した際の保さん(14年4月)

「ゲームを媒体の一種として位置付ける」というスタンスを強調

――Ingress研の発足当時、庁内での反応はいかがでしたか?県庁内でゲームをフィーチャーした活動を行うことに、抵抗感などはなかったのでしょうか。

 Ingress研を発足させるに当たり、最も心配したのが「県が自ら特定のゲームを推奨したり売り上げに貢献したりして良いのか」といった疑問を呈されることでした。なので当初から、研究会に関する説明においては、「ゲームを媒体の一種として位置付ける」というスタンスを強調しました。つまりゲームという窓から、そのプレイヤーに岩手を覗いてもらい、岩手を知ってもらう、ということです。

私が知る限りでは、「岩手県が面白いことをやる」とむしろ積極的に評価いただき、その点は安心しています。

――Ingress研時代に行われた第1回のイベント(、「ポータル探して盛岡街歩き」)を受け、開発元のNiantic Labsがポータルの優先審査を行ったこともありました。このようなIngress側との連携が、今後また行われる可能性はあるでしょうか。

 2014年11月9日に開催したポータル申請のための街歩きイベントの当日に、Niantic Labsの方から「優先審査を適用する」とアナウンスをいただいたことは、とてもびっくりしましたが、とてもありがたいことでした。このことで一気に盛岡市内のポータル数が伸び、その後も逐次増えて現在のような全国有数のエリアができたわけです。

6月20日にIngressの公式イベントPersepolis(ペルセポリス)が開催されます。今回は仙台市がメイン会場となりますが、その翌日に東北地方各地のIngress関連の活動が活発な地域でPersepolisに呼応したイベントが開催される計画です。盛岡もその会場地のひとつになっており、当研究会も参画して準備を進めております。

このお話があった際も、単にゲームのイベントとして終わらせるのではなく、研究会が介在することで地域の盛り上げにつなげようと、盛岡市内の「八幡ぽんぽこ市」と連携した形に仕立てています。

このように、今後も機会があれば、研究会の目的に合致するように工夫しながらIngress側との連携ができると良いと思います。

I was away for the day, and look at what happened to my dear little 'farm' #ingress #tampere
I was away for the day, and look at what happened to my dear little 'farm' #ingress #tampere

「2016年は岩手が面白い!」と言えるような活動を

――ゲームノミクス研究会の発足の趣意書には、検討内容欄に「ポップカルチャー、サブカルチャーの振興に関する調査研究」といった項目がありますが、今後Ingress以外のコンテンツ(たとえば、アニメやマンガ)を用いた活動を行う可能性はございますか。

 はい、現時点では具体的に「コレ」といった定まったテーマが決まっているわけではありませんが、人気のあるゲームがメディアミックス的にアニメやマンガなどの別媒体に展開することはよくあることです。その辺り親和性が高いと思いますので、私としても、今後のメンバーの発想に期待しているところです。

――最後に、同会の長期的・将来的な活動目標について、2016年に開催される「希望郷いわて国体」への取り組みを含めコメントを頂ければと思います。

 希望郷いわて国体・希望郷いわて大会は、東日本大震災後初めて被災地で開催される大会です。選手や応援団などの皆さんをお迎えする私たちも、支援への恩返しということで気合が入っています。国体などの開会式や閉会式は、同時に音楽やダンスなどの祭典でもあります。そのため、岩手県でも来年はスポーツのみならずサブカルチャー等も含めた芸術文化も大いに盛り上げようとしています。

この研究会もそこにひとつのターゲットを置いていて、「2016年は岩手が面白い!」というキャッチコピーを取れるよう、活動を進めていきたいと思います。

ちなみに、先日、国体開会日までのカウントダウンモニュメントが県庁前に設置されました。その場所はIngressのポータルになっているので、ぜひ皆さん、国体までの日数を確認してハックしてください!

いわて国体のカウントダウンモニュメントがポータルに
いわて国体のカウントダウンモニュメントがポータルに

ゲームノミクス研究会は、第1回のイベントとして神奈川県横須賀市(観光企画課)と連携した「岩手×横須賀 友情の架け橋ミッション」を5月19日から実施している。Ingress活用自治体が広域にわたって連携を行うのは、日本初の試みだという。

ミッションの内容は、両地域にゆかりの深い先人・米内光政(岩手県盛岡市出身で、横須賀の海軍砲術学校で教鞭をとっていた軍人。海軍大臣、内閣総理大臣などの役職をつとめた)にちなんだポータルを巡るというもの。クリアしたプレイヤーには、ゲームノミクス研究会特製のIngressペンをプレゼントするそうだ。

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